各種催事

食品流通・包装懇話会

2025年度 開催予定

例 会 第186回
講演会
第187回
見学会
第188回
講演会
第189回
講演会
日 程

時 間
7月17日
午後
10月2日
午後
12月4日
午後
2026年
2月5日
午後

※講演会は対面とオンラインのハイブリッド開催、※開催日は予定、活動内容は未定

2024年度 実績

開催回 開催概要:テーマ、講演要旨など

第182回
2024年
7月4日(木)

ハイブリッド開催、
1講演当たり
開催時間80分
(講演・質疑)

テーマ①:「国外における食品接触材料規制の動向」

講師:一般財団法人化学研究評価機構 食品接触材料安全センター 石動 正和 氏

概要:欧州環境規制は、EU域内だけでなく国連のプラスチック汚染防止条約にも影響する内容も含まれるため注目されている。講演では、石動氏に4月に暫定合意案が可決された欧州包装及び包装廃棄物規則(PPWR)を中心にご説明いただいた。PPWRは6つの要件を満たさないと、2030年以降、EU域内で製品が販売出来なくなる内容でした。なかでも、注意すべきは「プラスチック包装の最低リサイクル含有割合」の設定で、新たにリサイクル材を混入させることを要求しています。まだ一部は開発途上のため、材料を確保するのは容易ではなく供給面の混乱が予想されます。また、数値だけ先行している項目も悩ましい課題です。例えば、リサイクル可能な包装(第6条)では、最低でも70%以上リサイクル可能にする設計を求めていますが、その内容が明示されていない。詳細の決定を待つしかないが、対応させるための検討期間が短くなることが心配である。今回、理解しづらい部分を丁寧に解説して頂き、参加者からも多数の質問があがった。この規則案は今秋にもEU理事会で採択される予定である。引き続き対応が遅れないように最新情報を追っていきたいと思った。

テーマ②:「国内における食品接触材料規制の動向」

講師:一般財団法人化学研究評価機構 食品接触材料安全センター 梶原 健世 氏

概要:本講演では2023年11月30日に告示された改正ポジティブリストの内容を中心に、ポジティブリスト制度の概要や制度化に伴う新たな追加改正に関する最新情報等についてご説明いただいた。2020年のポジティブリスト制度の施行によって関係各業界は少なからず混乱したことと思いますが、ポジティブリスト収載物質については複数回にわたる意見募集により内容が整理され、約3年半を経て2023年11月30日に改正ポジティブリストとして告示されました。さらに現在は追加告示案を取りまとめ中で、2025年6月1日の施行に向けた準備が進められているとのことでした。改正ポジティブリストについては、合成樹脂の原材料の範囲や基材・添加剤の定義などがシンプルに整理されましたが、その考え方や内容の読み取り方など、具体例を交えてご説明いただきました。2025年6月1日の完全施行に向けての新たな動きとして、厚生省告示第370号の「第3 器具及び容器包装」の中の用途別規格の見直しが行われていることや、総溶出物規格の導入が検討されていることなど、最新情報についてもご教示いただきました。今後も継続して消費者庁の動向をウォッチする必要があります。多岐にわたる内容でしたが一つひとつ丁寧に解説していただき、器具・容器包装製造事業者と食品製造事業者の喫緊の課題であるポジティブリスト制度への理解を深める貴重な講演内容でした。

第183回
見学会
2024年
9月27日(金)

見学先:株式会社レゾナック 川崎事業所 プラスチックケミカルリサイクル施設

概要:サーキュラーエコノミーに向けて注目されているプラスチックのケミカルリサイクルを実装する株式会社レゾナック様の川崎事業所を見学させていただきました。川崎臨海部の3か所に位置する川崎事業所は東京ドーム12個分の広大な敷地に980名ほどで、電力・水道・医療などのライフラインを支える製品群の安定供給と、半導体材料、リチウムイオン電池材料など、社会のイノベーションを支える製品群を生産しておられます。今回見学させていただいたのは、使用済みプラスチックをアンモニアや炭酸製品などの有用な資源に生まれ変わらせているケミカルリサイクルプラントであり、1日あたり200トンの使用済みプラスチックを処理されています。
特筆すべきは、最初にガス化炉を昇温する際にのみガスを使用しますが、昇温後はプラスチック自身の分解熱を利用して温度を保つことから、化石燃料を使用せず工程全体としてゼロエミッションを成し遂げておられます。
現在、日本の廃プラスチックは年間800万トンを超えますが、大半はサーマルリサイクルとして活用されています。今回見学させて頂いたケミカルリサイクルのような有用な技術の展望を広げるためにも、消費者としてプラスチックごみ分別の意識を向上させなければならないと改めて考えさせられました。

見学会

第184回
2024年
12月5日(木)

ハイブリッド開催、
1講演当たり
開催時間50分
(講演・質疑)

テーマ①:「成長志向型の資源自律経済の確立に向けた取組について」

講師:経済産業省 GXグループ 資源循環経済課 岡田 時房 氏

概要:2023年3月に経済産業省から発表された「成長志向型の資源自律経済の確立」についてご講演をいただきました。これまでの3Rを中心とする環境対策から循環型の製品・ビジネスを展開する循環経済を確立し、経済の自律性を高めて資源枯渇及び調達リスクに対応すること、環境制約として廃棄物及びCO2排出を削減すること、さらにはサーキュラーエコノミーにより経済成長を図ることをご紹介いただきました。ご参加の包装に関連する企業の皆様には設計や製造等の企業活動において循環配慮設計の導入と再生材利用拡大の重要性の認識を深め今後に向けての良い道標になりました。

テーマ②:「プラ循環経済に向けた技術開発と実装に向けて」

講師:(株)アールプラスジャパン 代表取締役社長 大竹 篤 氏

概要:国内外で環境負荷低減が求められている中、容器包装の使用済プラスチックはサーマルリカバリーが主流でありマテリアルリサイクルは拡がっているものの課題があるため限定的となっています。アールプラスジャパン様(RPJ様)では、これを解決するため、ケミカルリサイクルの社会実装に取り組まれています。RPJ様のケミカルリサイクル技術は様々な使用済プラスチックに対応可能で熱触媒反応からプラスチックの粗原料となるBTXやオレフィンを得ることができます。これによりピュアなプラスチックに生まれ変わることができる為、マテリアルリサイクルで対応できない領域をカバーすることができます。プラント計画としては、2029年に、2万t/年、2033年には20万t/年の規模への拡大を目指すとのことです。最後に、ケミカルリサイクルの社会実装には、技術だけでなく、原材料の確保と製品の販売先の確保が最も重要なポイントであることをご説明頂きました。今回のご講演は、プラスチック資源循環の社会実装に向けた使用済プラスチックのリサイクルに関する課題や展望、これから取り組むべきことへの理解が深まる貴重な内容でした。

テーマ③:「プラスチック資源循環に向けた製造事業者としての課題・取り組みについて」

講師:大日本印刷(株) Lifeデザイン事業部 ビジネスクリエーションセンター サービス開発本部 環境ビジネス推進部 岩淵 美香 氏

概要:気候変動リスク、海洋プラスチック問題など循環型社会・循環経済に向けた課題、背景さらには課題解決に向けて環境配慮包装設計、リサイクルの実施、リサイクル材の活用、製品データの見える化が重要とご説明いただきました。その中で環境配慮包装設計に関する設計認定基準案が清涼飲料用ペットボトル容器、文具・事務用品、家庭用化粧品容器、家庭用洗浄剤容器の4分野で提示されたと進捗をお示しいただきました。さらには大日本印刷㈱の高度な技術を活かした資源循環に資するパッケージ事例をご紹介いただきました。貴重な包装設計や技術に関する情報をまとめて聴講できる良い機会となりました。

第185回
講演会
2025年
2月6日(木)

1講演当たり
開催時間80分
(講演・質疑)

テーマ①:「キリングループのDX戦略と生成AI活用の現在地」

講師:キリンホールディングス株式会社 デジタルICT戦略部 DX戦略推進室 主査 永沢 拓也 氏

概要:キリングループにおける価値創出を加速するICTの普及に努められている永沢氏より、主にキリングループの「DXによる価値創出」、「生成AIの取り組み状況」、「DXを推進する組織能力」についてご講演をいただきました。キリングループではDXを業務プロセス変革だけでなく、既存事業の価値向上や新規ビジネスの加速・開発といった価値創出にも活用していけるよう、社員教育事例や経営トップ自らの活用についてご紹介いただきました。今回のご講演で広くDXや生成AIを活用するアイデアをご示唆いただき、今回聴講いただいた皆様にとって有益な情報と触れ合う機会になったと思います。

テーマ②:「持続可能な食品物流に向けたF-LINEプロジェクトの取組み」

講師:F-LINE(株) 物流未来研究所 次長 坂本 卓哉 氏

概要:坂本氏より、F-LINEプロジェクトの取組みについてご講演いただきました。F-LINEプロジェクトはメーカー6社が物流課題解決の場として設定したもので、のちにプロジェクト5社の共同出資によりF-LINE㈱を設立して、物流効率の向上、CO2削減、ドライバー不足の解消など、持続可能な物流システムの構築に取り組んでいます。これまで、中継リレー輸送やモーダルシフトなど2024年問題対策や、伝票や外装表示・サイズの標準化など物流効率化を進めてきました。
今後は、更なる標準化によるスマート物流の実現や、共同輸配送×EV車両導入×モーダルシフトによるCO2削減、自動運転トラックの実証実験などを通じて持続可能な物流を実現していくとのことです。

過去開催実績

開催回 開催概要
第178回
2023年
7月6日

①「サステナブル社会への貢献を目指した花王の取り組み」

講師:花王(株)包装技術研究所 グループリーダー 関 直子 氏

②「樹脂組成割合に基づく家庭系プラスチック類の排出実態」

講師:福岡大学 工学部 社会デザイン工学科 准教授 鈴木 慎也 氏

第179回
2023年
9月27日

①「マイクロ波・高周波解凍のシミュレーション技術」

講師:東京海洋大学 名誉教授 酒井 昇 氏

②「青果物用鮮度保持フィルム「P-プラス」の開発、活用事例について」

講師:住友ベークライト(株)フィルム・シート営業本部
P-プラス・食品包装営業部 評価CSセンター 溝添 孝陽 氏

第180回
2023年
12月6日

①「ビール製造時の副産物を活用した化粧品パッケージの開発取組」

講師:(株)ヘミセルロース 代表取締役社長 茄子川 仁 氏

②「(株)レゾナックにおける廃プラスチックのケミカルリサイクル」

講師:(株)レゾナック 基礎化学品事業部企画部
プラスチックケミカルリサイクル推進室 兼
川崎事業所 生産技術部 扇町生産技術グループ 伊東 浩史 氏

第181回
2024年
1月26日

「見学先:東京貨物ターミナル駅」

東京貨物ターミナル駅の見学は第154回見学会以来7年ぶりで、当時は荷役貨物駅の役割が大きかったように感じたが、物流拠点(レールゲート)を新設した総合物流サービスを提供する一大ターミナルへと変貌していた。