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JAPAN  PACKAGING  CONTEST 2023 入賞作品一覧

JAPAN STAR

『乾電池エボルタ・エボルタネオシリーズ エシカルパッケージ』

経済産業大臣賞

『乾電池エボルタ・エボルタネオシリーズ エシカルパッケージ』

  • パナソニック エナジー(株)

包装材使用量削減と過剰なプラスチック・紙包装の排除を目標に、消費者もメリットが得られる環境保護対応パッケージを開発した。この結果、①乾電池パッケージに初めて「紙袋パッケージ」を採用、②包装材使用量を各販売サイズで38~60%と大幅削減。③簡易設備での生産によりグローバル展開が可能、④紙袋により現物製品が見えない課題をリアルな印刷で補完、⑤年間約19tの包装材使用量削減を実現しCO2排出量削減にも貢献した。

『世界初!リサイクルアルミ100%缶』

経済産業省産業技術環境局長賞

『世界初!リサイクルアルミ100%缶』

  • サントリーホールディングス(株)
  • 東洋製罐グループホールディングス(株)
  • (株)UACJ

このアルミ缶は、胴、蓋共に100%再生材を使用しており、一般的なアルミ缶と比較し、CO2を60%削減することが出来た。スペックは通常のものと同等で、工場でも特別な対応をすることなく製造が可能である。今回のように、胴も蓋も100%リサイクル材を使用し、商用化されたSOT(ステイオンタブ)アルミ缶は世界初となる。

『段ボール製エキスパンダー~規格パレット拡張術~』

経済産業省製造産業局長賞

『段ボール製エキスパンダー~規格パレット拡張術~』

  • レンゴー(株)

パレットに積載する製品サイズに対応して、大きさをさまざまに拡張できる段ボール製の追加部材を開発した。パレットに段ボール箱を積み付けした際に、パレットからはみ出した部分が変形する事故が発生することを防ぐためのものである。アジア市場で標準仕様とされる1,200mm×1,000mmの樹脂製パレットに拡張部材を装着することで、パレットサイズを必要な大きさに拡張できる。貨物の変形を防ぐことで保管・運搬の改善につながる。着脱は容易であり、パレットの循環再利用に貢献する。

『ClearX🄬 -ハイパフォーマンスシリンジシステム-』

日本商工会議所会頭賞

『ClearX® -ハイパフォーマンスシリンジシステム-』

  • 大成化工(株)

注射器にあらかじめ製剤が充填されており、作業時間を短縮、異物混入防止、安全で簡便に注射できるプレフィルドシリンジ用ピストンにおいて、ピストンを摺動させるために使用するシリコーンを注射器に塗布しなくても薬剤を押し出すことが可能なピストンClearX®を開発した。製剤を安定的に保管できるように吸着の極めて少ない材料を使用している。凝集や吸着を引き起こすリスクを低減し、患者に製剤を安全に投与できる注射器である。また、薬液を充填する際に気泡低減の観点から真空打栓、及びスリーブ打栓方式にも対応している。

『積載重量大幅UPを実現! 段ボール製バンドレス容器 ~国際物流の混乱に緊急対応(スチールから段ボールへ)~』

日本貿易振興機構(ジェトロ)理事長賞

『積載重量大幅UPを実現! 段ボール製バンドレス容器
~国際物流の混乱に緊急対応(スチールから段ボールへ)~』

  • トヨタ自動車(株)
  • 太榮(株)
  • ナビエース(株)

これまではスチール製リターナブル容器を使用して輸出していたが、世界的に物流が滞る中、リターナブル容器が不足し、出荷ができない問題が発生した。そこで積載重量・作業効率・コンテナ積載効率は変えず、急な物量変化にも対応できる段ボール製1way容器を開発した。誰にでも簡単に組め、作業負荷が少なく、バンド掛けが不要で特殊な副資材も使用しない。3段積みでも安全な圧縮強度を備え、梱包材を44%軽量化、CO2排出量もトータルで72%の削減ができている。

『使用済みコピー用紙からつくった!高性能緩衝材』

公益財団法人日本生産性本部会長賞

『使用済みコピー用紙からつくった!高性能緩衝材』

  • セイコーエプソン(株)

石油由来の素材に代わる、環境に配慮した紙系緩衝材を開発した。社内の古紙回収システムで収集した使用済みコピー用紙を原料とし、当社独自の「ドライファイバーテクノロジー」により水をほとんど使わずに繊維化。緩衝性能が最適となる製法・製造条件で成形し、かつ理論設計ができるものとした。高性能な石油由来緩衝材と同等以上の衝撃吸収性を持ち、緩衝距離を変える必要が無いため、個装箱のサイズを変えずに資源の有効活用が可能。プリンターの緩衝材として使用中。

『SHISEIDO オイデルミン リキフォームボトル』

公益社団法人日本パッケージデザイン協会賞

『SHISEIDO オイデルミン リキフォームボトル』

  • (株)資生堂
  • (株)吉野工業所

「ボトル製造」と「中味液充填」をワンステップで実現する技術「LiquiForm®」を世界で初めて化粧品に採用した。本技術によりレフィル容器を軽量化し、当社の標準的な従来つけかえ容器(同容量)と比較し、プラスチック使用量と中味を含まない容器包装ライフサイクルにおけるCO2排出量を約70%削減した。加えて、本体容器に高い意匠性を演出し、レフィル時の簡易脱着機構を実現することで、プレミアム感と環境配慮を両立した新容器を確立できた。

『凸パン』

公益社団法人日本マーケティング協会会長賞

『凸パン』

  • (株)SakimotoBakery
  • 凸版印刷(株)

TOPPANが「社会課題をTOPPA!!!するリーディングカンパニー」であることを世の中に伝えるPR施策の一環として、食べ物の鮮度を長く保ち、フードロス問題の壁を突破する製品をSakimotoBakeryと共同で開発。TOPPANの透明蒸着加工技術とコーティング技術を活用した透明バリアフィルム「GL BARRIER」を使用することで、賞味期限を通常の約7倍に延長した。

透明の材質を活かし、“ロスされがちな野菜”を練りこんだパン生地を外側から魅せるデザインとなっている。「食料ロス・廃棄啓発のための国際デー」に秋葉原にて配布し、大きなPR効果を得られた。

『SHISEIDO オイデルミン リキフォームボトル』

公益社団法人日本グラフィックデザイン協会賞

『クレ・ド・ポー ボーテ リューヌ ジョアイエール』

  • (株)資生堂
  • (株)ヒダン

ブランド誕生40周年を記念し、フランス・パリのジュエラー、エリー・トップ氏とのコラボレーションにより創り上げた特別なコレクション。4本のリップ(レフィル)とリップホルダー、ムーンミラーのセットである。キャップにはマグネットを採用し、開閉感触はまるで日本伝統の「茶筒」のような真空感と奥行きがあり、何度も開け閉めしたくなる。リップホルダーにレフィルを挿しこむと簡単に脱着でき、色を自由に選べる。リップホルダー正面・裏面には、電鋳とポッティングをあしらい、「厳かな光を放つ月」を具現化。レフィラブル対応だけでなく、仮栓にPIR(Post-Industrial Recycled)樹脂を採用し、バージンプラスチックの使用量削減にも貢献している。

『VSパック』

公益財団法人共用品推進機構理事長賞

『VSパック』

  • VPAK(株)
  • (株)セイワホールディングス
  • (株)フューチャーラボ
  • (株)開伸

片手で簡単に開封できるバリア性を有する安価なユニバーサルデザインの個包装体で、片手でV状に折り曲げることで開口部のAL(封止材)が破断開口し、内容物が絞り出される。

開け方が分かりやすく、注ぎだししやすく、中身に手が触れないため衛生的。医薬品・化粧品・食品・日常品の液体・粉体・顆粒等の個袋体に利用できる。複合フィルム化でレトルト殺菌も可能。

『シルコットウェットティッシュ』

消費者団体推薦賞

『シルコットウェットティッシュ』

  • ユニ・チャーム(株)
  • 大日本印刷(株)

高気密性・取出し簡便性・動作の流麗さ・高意匠性を兼ね備えたウェットティッシュ用横置きボックスタイプ容器を開発した。機能面では、蓋に付与した軟質パッキン・本体に設置したテーパー形状のリングによる高気密機構と、シートの落ち込みが発生しても直接指を入れて再セットできる取出し口形状を設置。情緒面では、蓋の弓バネ構造による蓋が開き切る際の反復振動を抑えるブレーキ機構と、細めのシボによる傷の目立ち度やプラスチック感抑制により高級感を付与した。

『大型業務用エアコン室内機梱包用トレイの自動組立機の開発』

公益社団法人日本包装技術協会会長賞

『大型業務用エアコン室内機梱包用トレイの自動組立機の開発』

  • ダイキン工業(株)
  • 王子コンテナー(株)
  • 王子ホールディングス(株)

業務用の天井埋込カセット形エアコンは段ボール製トレイで上下から梱包され、この梱包用トレイは大型で複雑な構造な為、人が手で組立てていた。そこで自動組立可能なトレイ形状とそれに対応した自動組立機械構造を開発した。この自動組立機械構造は包装機械業界初でトレイサイズも最大級。自動組立機はシート(トレイ)のピッキングから折込みトレイに自動成形、既存の自動梱包ラインに直結させ組立と梱包の自動化に成功した。この結果、組立作業員40%、組立時間33%の削減を達成。

『おかえりつめかえパック』

公益社団法人日本包装技術協会会長賞

『おかえりつめかえパック』

  • 花王(株)
  • ライオン(株)
  • (株)フジシール
  • 三井化学(株)
  • (株)プライムポリマー
  • 東ソー(株)

複数の素材から成る多層構造のパウチ容器はプラスチック使用量の削減に貢献してきた。しかし異種素材が複合化されていることからリサイクルが難しいとされてきた。そこでプラスチック包装容器資源循環型社会の実現に向け、各社協働で使用済みパウチを回収し、そのパウチを再度パウチに再生する、水平リサイクル技術の開発を行った。本検討によって異種材料分散技術および樹脂高純度化技術を開発し、世界初となる水平リサイクルパウチを実現した。これにより難しいとされていた多層構造パウチのリサイクルが初めて可能となり、リデュースとリサイクルの両立を具現化した。