各種催事
- ホーム
- セミナー・シンポジウム
- パッケージデザイン懇話会
パッケージデザイン懇話会
2024年度 開催予定
例 会 | 第167回 講演会 |
第168回 講演会 |
第169回 講演会 |
第170回 講演会 |
---|---|---|---|---|
日 程 ・ 時 間 |
5月21日 (火) 15:00~17:30 |
8月30日 (金) 15:00~17:30 |
11月26日 (火) 15:00~17:30 |
2025年 2月26日 (水) 15:00~17:30 |
今年度も昨年度に引き続き、基本として包装技術協会会議室での対面とオンラインでのハイブリッド開催を予定しております。
※また今年度の懇話会では、外部会場開催や工場見学のイベントを検討しております。
※交流懇親会の開催方法につきましては懇話会ニュースでお知らせいたします。
※日程及び時間は変更する場合があります。
2023年度 実績
第166回 講演会 会場開催とZoomによるハイブリッド講演 |
---|
テーマ:クライアントや印刷加工会社とのセッションから生まれるパッケージデザイン 講師:小玉 文 氏 参加者数:45名(会場参加24名、オンライン参加21名) ※ご講演内容については後日、本ページにてご報告させていただきますのでご了承ください。 |
第165回 2023年 11月28日(火) 15:00~17:30 会場開催とZoomによるハイブリッド講演 |
---|
テーマ:総合容器メーカーのデザイナーからの視点: 大和製罐の”内×外”の取組み 講師:坂倉 由希子 氏 参加者数:36名(会場参加22名、オンライン参加14名) 講演概要: 大和製罐㈱ 坂倉由希子氏をお招きし、総合容器メーカーのインハウスデザイナーとしての視点と考えをご講演いただきました。坂倉氏は2011年より大和製罐にてデザイナーとして活躍されており、おいしい東北パッケージデザイン展、ペントアワードなど多数の受賞歴をお持ちです。今回の講演では”内”と”外”をキーワードに部署内外、社内外での取り組みについてお話いただきました。 1.”内”の取り組み 自社製品やサービスを魅力的に作り、伝えるための5つの取り組み ①プロダクトデザイン ● 缶への加飾:強度を保ちながらエンボスを缶に加えて意匠性を高める製品において、デザインパターンの試作と評価を、技術部門・生産部門と連携しスムーズに行っている。 ● ポンプフォーマーの改良:機能的な問題はないがトイレタリー感が強いフォーマー容器があった。高価格帯製品向けへの改良において、形状のどの要素がどんな印象を生んでいるか、要因を分析し各部門と共有した。そのうえで具体的なデザインをすることで、関係部署と協力しながらニーズに合った製品をリリースできた。 ②提案用サンプルの作成 ③PR関係・技術資料・プレゼンテーション資料の制作 自社製品のパンフレットや広告の制作を行っている。内容が専門的な場合、外部に依頼すると指示等の対応に苦慮するが、内製化することで、正確に意図を伝える資料を短いリードタイムで制作することができる。 ④製品・技術のロゴやネーミング 製品や技術をアピールしたいときに、きちんとした名前とロゴがあると印象に残りやすく、完成度もより高く見える。開発品を顧客に印象付けて採用に繋がるように、ネーミングとロゴデザインを行っている。 ⑤自社製品のパケージデザイン 自社ブランド品の介護食のパッケージデザインを行っている。商材写真のディレクションも自社内で行っている。 2.”外”の取り組み 社外、部署外、デザイン以外における3つの取り組み ①顧客の製品のパッケージデザイン ● → 容器の特長・印刷・ 加飾の理解に基づくデザイン提案 ● → 内容物開発・充填・流通までトータルで提案 ②デザイン制作以外の活動への積極的参加 「技術部門内のデザイン部署」として、立ち上げ当初から力を入れてきた取組みに、周囲との心理的距離感を縮めるとともに、デザインの価値と意義を理解促進させる取り組みがある。デザインを開発・提案に活用できる「技術」としてとらえ、デザイナーを「頼れる人」とイメージしてもらえるよう、一見デザインと関係無い社内の活動にも全力で参加した。発表の内容やデザインの知見を活かした分かりやすさで周囲にインパクトを与え「デザインチームと一緒にやると、なんかすごいぞ」「ちょっと声をかけてみよう」と思ってもらえるようになってきている。 ③各種コンペティションへの参加 社内外からのクリエイティブ品質への信頼向上と、デザイナー自身のスキル向上及び自信付けを目的として、各種コンペティションに参加した。デザインコンペでの受賞はお墨付き効果もあり顧客からも喜ばれる。日本パッケージングコンテストの受賞は社内での反応・温度感がいつもと違うものがあり、デザインコンペとはまた違った包装業界のアワードに参加する意義を感じた。受賞後は自社webページや社内報などで発信し、自社の取り組みがより広く認知されるよう心掛けている。 3.最後に 講演後半では活発な質疑応答も行われ、より深く坂倉氏の考えを伺うことができました。”内”と”外”を行き来し、自分の領域を超えて知見を広げることの大切さを感じました。 (スーパーバッグ(株) 北村 隆) |
第164回 2023年 8月25日(金) 15:00~17:30 会場開催とZoomによるハイブリッド講演 |
---|
テーマ:サステナブルな容器包装への試行錯誤 講師:藤原 普夫 氏 講師:飯田 智晴 氏 参加者数:36名(会場参加19名、オンライン参加17名) 講演概要: 今回の懇話会では、株式会社ロッテの藤原氏と飯田氏をお招きし、同社が取り組んでいる、使い捨ての石油由来プラスチックの削減など、サステナブルな容器包装への転換に向けた取り組みについて、Loopを活用したリユースの事例とスマイルエコチャレンジと称する、学校等を通じたリサイクルの事例の2つを中心にご紹介いただいた。 1.プラスチック容器包装を取り巻く課題 プラスチック容器包装を取り巻く現状として、毎年発生する800万t以上のプラスチック廃棄物の約7割が焼却され、CO2増の原因となっている。プラスチックの持続可能な使用に向け、質の高いプラスチックリサイクル資源をどう確保するか、そのための回収プラットフォームをどうするかが課題ととらえている。ロッテでは、キシリトールガムのような代表ブランドで3Rに取り組み、発信を行うことで、効果的に企業およびブランドの価値向上につなげることができると考えている。 2.Loopを通した容器包装リユースの取り組み 1)Loopの概要 トLoopは「捨てる概念を捨てよう!」というミッションのもと、商品を再利用可能な容器で購入することができる、循環型ショッピングプラットフォーム。預り金(デポジット)制度を採用しており、小売店の店頭で商品を購入し、店頭の回収ボックスに使用済み容器を返却する仕組み。現在、小売店はイオンにて展開中(100店舗以上)。 2)Loopの容器洗浄について 開始から2年経過し、ようやく洗浄に足る量を回収でき、今後洗浄を行う予定。専用の洗浄設備で市場から回収した容器を洗浄するのは初。洗浄はバッチ式の洗浄機(飲食店の食器洗い機のようなもの)で実施。 洗浄工程:受入検査⇒予備洗浄⇒本洗浄⇒検査⇒エアによる水滴除去⇒乾燥・梱包・出荷 3)Loopにおけるロッテの現状と課題 キシリトールブランドでLoopを通じたリユース容器へチャレンジした。その結果、良かった点としては、多くのメディアに取り上げられ、話題となったこと(広告換算700百万円以上)。ただし課題もあり、一つは売り上げが低調なこと。もう一つは使用済み容器の返却が低調なこと。容器代を安く設定したので、返却してもらわないと困る(消費者が返却せずに別用途で使用している事例がSNSに投稿されている)。 4)Loop向け容器開発について ①開発の進め方・ポイント ②容器概要 ③容器開発の流れ 3.サステナブルな容器包装の実現に向けたその他の取り組み 社会の重要性とロッテにとっての重要性から5つのESGマテリアリティーを設定し、ESG目標を設定。様々な容器包装の環境対応の取り組みをお客様に分かりやすく伝えるために、自社内で環境配慮設計基準を制定。お客様に伝えるため、視認性を考え、ロッテ独自の環境配慮マーク(スマイルエコマーク)をデザインした。現在、全商品の半分くらいが選定されたが、ほとんどが紙製容器包装。プラスチック製品はコストの問題もあり、ハードルが高い。容器包装の資源循環に向けた新たなチャレンジをスマイルエコチャレンジと称して取り組み中。紙製パッケージと樹脂製容器について開始。紙製パッケージの課題としては、紙全体の回収率は80%と高いものの、紙製容器包装の回収率は25%にとどまる点がある。回収は学校を通して実施。学校の生徒会に働きかけ、回収を行っている。また、学校だけでなく、オフィス100箇所に回収ボックスを置き、プラスチック製容器包装(ガムボトル)の回収も開始している。 4.最後に 本講演を通じて、今や企業にとって必須となっているサステナブルな容器包装への転換が、決して容易ではないことを痛感した。しかし、サステナブルな容器包装に転換したからと言って、それだけでは売れない。Loopのキシリトール容器のように、消費者が思わず他の用途に使ってしまうほど、環境対応でなくとも、純粋に欲しいと思わせるスタイリッシュで魅力的なデザインのものを開発することが重要なのだと実感した。 (アサヒビール(株)宮下 裕介) |
第163回 2023年 5月26日(金) 15:00~17:30 会場開催とZoomによるハイブリッド講演 |
---|
テーマ:AIやデザイン思考でパッケージデザインはどう変わるか 講師:小川 亮 氏 参加者数:34名(会場参加20名、オンライン参加14名) 講演概要: 初めに理事長である日本パッケージデザイン協会の活動について、協会の事務局長で担当幹事の中越氏からご紹介。講演では、画像生成AI技術がデザインや製品開発の在り方を大きく変えようとする時代の中で、パッケージデザインの重要性がどのように変化してきているのか、パッケージデザインの変わらない重要性と変わっていく部分について解説いただいた。 パッケージデザイン5つの役割 1)商品価値を高める 機能的価値(基本機能・便宜面に関わる価値)、情緒的価値(五感、物語への共感から得られる価値)の両面から商品価値を高める。アフォーダンスや感覚転移も活用する。 2)トライアルの実現 本の帯のキャッチコピーの実例紹介。コンセプト文の中の最も伝わる1点に集中して言葉を磨き上げる。トライアルを実現させるには「商品の魅力を短時間で正しく伝える」ことが重要。 3)一貫したコミュニケーションの実現 ブランドであるパッケージデザインは、統合型マーケティング・コミュニケーションの核になる。広告展開も見据えたビジュアルアイデンティティ、ブランドの世界観となるメタファー 4)経験価値を高める 利用経験によって顧客が得られる価値=実際に使う事で幸せを与えられるか。例:iPhoneの貼り凾、木箱で届くオートバイDUCATI、「樹木との共生」を図る資生堂BAUMのパッケージおよび店舗など。 5)ブランド資産の構築 パッケージデザインのブランド要素の想起順位は、①色、②形、③ロゴ。ブランド資産構築のためには、記憶のフックになる色・形・ロゴを決め、名前と意味をつけ、変えない事が重要。 デザイン思考から考えるパッケージデザインの役割 デザイナーの思考法を問題解決に活用する事であり、何より観察が重要である。質問をしても自分から問題点や困っている事を言える方は5%程しかいない。粗くても良いのでプロトタイプを作って、見て貰い多くのダメ出しを貰う事がデザイン思考からの開発に繋がる。病院に関するパッケージデザインでは、医薬品の取扱い現場で発生するヒヤリハットやミス防止のために行われている工夫を元に課題を発見していくプロセスを紹介していただいた。 AI技術はデザインの作り方と役割をどう変えるのか 「20代女性をターゲットにしたビール」のデザイン作成のデモンストレーションでは、言語系生成AIのChatGPTで商品コンセプトと共に商品名10個を考える指令を出し、決めた名称からStable Diffusionで画像を生成した3点を抽出。商品デザインの消費者の評価を予測するプラグのパッケージデザインAIを使い、20代女性にどの程度好まれるかを10秒程で算出した。通常の消費者調査では結果が出るまで約2か月掛かるのに比べ、短時間で評価が得られる。これらAI技術はデザイナーがデザインのバリエーションを作るためだけでなく、ブランドオーナーが自分たちのやりたいことを伝えるために活用する事が予測できる 【好意度予測スコアの事例】 パッケージデザインの5つの役割の中では「変わらない重要性」を再認識できた。一方、進化が著しいAI技術の講演の中では「デザインの民主化」と言うワードが印象的だった。ブランドオーナーが求めるイメージを生成AIで表現できれば、デザイナーと一貫したコミュニケーションが図れ、ブランドの価値向上に繋がるだろう。パッケージの開発担当としてAIを上手く使って創造性を広げていきたいと感じるご講演であった。 ((株)クラウン・パッケージ 加藤 友季子) |
過去開催実績
開催回 | 開催概要 |
---|---|
第150回 2020年 7月29日 |
パッケージデザイン 3つの視点から JPDA 理事長 エスキース 代表 伊藤 透 氏 |
第151回 2020年 8月21日 |
顧客の共感を生むブランディングメソッドとパッケージデザイン (株)インターブランドジャパン クリエーティブディレクター |
第152回 2020年 10月6日 |
仕組みを知っても修正できない立体錯視の世界~この不条理とどう付き合うか~ 明治大学 先端数理科学 インスティテュート 研究特別教授 |
第153回 2020年 11月27日 |
このごみは収集できません~マシンガンズ滝沢氏と考える環境問題~ 太田プロダクション マシンガンズ 滝沢 秀一 氏 |
第154回 2021年 2月12日 |
パッケージデザインを進めるにあたって大切だと思ったこと 元ハウス食品 クリエイティブディレクター 山下 秀俊 氏 |
第155回 2021年 6月24日 |
デザインで引き立つおいしさ~品質を超える価値創造~ 東北大学大学院 文学研究科 教授 坂井 信之 氏 |
第156回 2021年 8月27日 |
パッケージデザインを巡る環境変化-afterコロナを見据えて 日経デザイン編集長 花澤 裕二 氏 |
第157回 2021年 10月27日 |
古くて新しいメカニズム、「形・構造・動き」の追求 法政大学 デザイン工学部 准教授 山田 泰之 氏 |
第158回 2022年 2月18日 |
食卓を彩る北欧のパッケージデザイン 加藤 真弘 氏 |
第159回 2022年 5月20日 |
農業のブランドデザインとパッケージデザイン (株)ファームステッド 阿部 岳 氏 |
第160回 2022 8月26日 |
Calbeeの「伝わるパッケージデザイン」の考え方 カルビー(株) 長澤 君枝 氏 |
第161回 2022年 11月25日 |
花王の「ESG経営」とインハウスデザイナーのモノづくり 花王(株) 平田 智久 氏 |
第162回 2023 2月17日 |
生活機能の変化を織り込み済みにするデザイン 東京工業大学 工学院機械系 西田 佳史 氏 |
入会ご希望の方は、ホームページの入会のご案内を印刷し必要事項をご記入の上パッケージデザイン懇話会事務局までメールまたはFAXにてご連絡くださいませ。
※パッケージデザイン懇話会事務局:井出 安彦
(E-メール ide@jpi.or.jp, Tel 03-3543-1189)