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JAPAN  PACKAGING  CONTEST 2022 入賞作品一覧

包装部門賞

食品包装部門賞

『紙パックを使用した食用油 「スマートグリーンパック®」シリーズ』

『紙パックを使用した食用油 「スマートグリーンパック®」シリーズ』

  • (株)J-オイルミルズ
  • 凸版印刷(株)

ビン・プラスチックボトルが主体の食用油の紙化を検討した。「EP-PAK・GL」を採用したことで、キャノーラ油・こめ油・ごま油は賞味期限が1年から2年となり、フードロス削減を実現(従来のラミコン、PETボトル比較)。併せてダブル構造の「専用口栓」を開発し、用途に応じて注ぐ量を変えられる。紙パック本体の「エンボス加工(波罫線)と持つ位置ガイド」により、片手で持ち易い利便性を付与している。

『チャック側から充填可能な易開封レーザー加工パウチ』

『チャック側から充填可能な易開封レーザー加工パウチ』

  • サントリーウエルネス(株)
  • サントリーホールディングス(株)
  • 大日本印刷(株)

パウチに表・裏で高低差をつけたレーザー開封誘導線を設ける事で、開封部に「つまみ」の形成が可能となり、開封性を向上させた。さらには、チャック側から充填をする場合は、レーザー加工部での破袋のリスクがあったが、そのリスクを軽減できるレーザー開封誘導線形状を開発したことで、充填時の不良発生率が低減した。

『ハウス食品 咖喱屋カレー レンジ対応パウチ』

『ハウス食品 咖喱屋カレー レンジ対応パウチ』

  • 東洋製罐(株)
  • ハウス食品グループ本社(株)

従来のレンジ対応パウチは、塩分や油分の多い内容品ではレンジ機種によって加熱中に熱損傷により包材に穴があいたり、開封しにくい場合にレンジ加熱後の内容品で火傷する等のおそれがあった。本開発品では、PBTフィルムの採用と加工技術によって、耐熱フィルムや易開封フィルムを使用することなく、穴あきを防止すると共に開封性の向上と、プラスチック使用量の削減も実現した。また、湯煎加熱からレンジ加熱へ変えることで加熱時間が大幅に短縮され、調理中のCO2排出量を約80%削減できる。

『一体化容器(プラスチック/紙)』

『一体化容器(プラスチック/紙)』

  • 伊藤忠プラスチックス(株)
  • (株)ファミリーマート
  • アテナ工業(株)

プラスチック製内カップの外側に紙製スリーブを装着する設計となっており、容器全体の強度は紙製スリーブで補完するため、プラスチックの使用量を削減できる。さらに、底紙を使用しない構造なので紙の使用量も最小限になる。紙製スリーブにはミシン目加工が施されているので、廃棄の際には内カップとの分離が容易にできる。本容器の仕様は紙容器では困難な、内嵌合蓋が使用できる内カップの構造となっており、汁漏れを抑制する。レーザー加工による多孔弁仕様の蓋は、流通段階での虫等の異物混入を防ぎ、レンジ加熱時には効率良く脱気することができる。

『ドリップオンザワールド グリーン オールリニューアブル素材を使ったドリッパー』

『ドリップオンザワールド グリーン オールリニューアブル素材を使ったドリッパー』

  • 味の素AGF(株)
  • 大紀商事(株)

コーヒードリッパーをオールリニューアブルな材料にすることで、カーボンオフセット達成を目指した。ポリプロピレン(PP)系フィルターとPP/紙ラミネート台紙の貼り合わせの石油由来プラスチック素材を含むドリッパーから、ポリ乳酸(PLA)系フィルターとPLA/紙ラミネート台紙の貼り合わせのオールリニューアブル素材のドリッパーとした。PLAフィルターは既存のPP系フィルターと比較し、コーヒーの抽出率が異なり、コーヒー風味にも影響を与える為、PLAフィルターへパルプ繊維を添加することで抽出率を調整した。また、シール機側の設備調整も実施し、既存包装機ラインでの生産を可能にした。

『紙表示外装入り調味料』

『紙表示外装入り調味料』

  • キユーピー(株)
  • 凸版印刷(株)

お客様のサステナブルへの意識が高まる中で、環境負荷やアニマルウェルフェアに配慮した商品。平飼い卵を使用し、外装にプラスチック素材ではなく紙素材を採用した。紙とシーラントの間にPET層を設ける事で、耐衝撃強度が低い紙の特性を補完し、流通上の衝撃に耐えられる強度を実現した。四隅を丸く加工し、手を触れても優しい設計にした。また、インクには一部バイオマスインキを採用した。

『ローソン中食パスタ紙製容器とプラスチック製容器の併用』

『ローソン中食パスタ紙製容器とプラスチック製容器の併用』

  • 三菱商事パッケージング(株)
  • (株)ローソン

パスタシリーズ商品はメニュー特性により、環境性能に優れる紙製容器と耐熱耐油に優れるプラスチック製容器を使い分けることとしている。また、蓋を共通化することで、ロス・ムダの削減や、在庫負担の軽減や配送・作業の効率化を図ると共に、お客様にシリーズ商品を違和感なく手に取って頂けるよう、容器のデザインや色味に統一感を持たせた。紙製容器については、スカイブ加工等を施して油分・水分の染み出しを抑え、また、ブロッキングしづらく片手で1個ずつ取り出しやすい設計とした。

『塩ひとふり』

『塩ひとふり』

  • 公益財団法人塩事業センター
  • (株)吉野工業所

ひとふりするだけで塩少々(約0.3g)を出せるため計量の手間がなく、思いのままの塩加減を実現できる「塩ひとふり」を開発した。キャップに塩業界初の「出すぎ防止機能」(特許出願中)を付加することで、小口側を傾けると塩少々が出て、ピタッと止まる。また、塩少々を振り出せる小口と、たくさん塩を振り出せる大口の2種類の振出口があり、調理の際に使い分けができる。塩が素材や料理の上に適度に散らばるよう、穴の数、大きさ、位置にもこだわった。

『CO・OP顆粒片栗粉 とろみちゃん 詰替えパック100g』

『CO・OP顆粒片栗粉 とろみちゃん 詰替えパック100g』

  • 日本生活協同組合連合会
  • 凸版印刷(株)

ボトルに入ったまま調理中の鍋などにふりかけて使える特長をもったボトル入りの顆粒片栗粉で、キャップを外せるボトルへの変更と、新たに詰替え用パックの商品開発を行った。ボトルへの詰替え時に、パウチ注ぎ部の下に、ボトル口に引っかけて固定するための「くぼみ(引っかけ部)」を付け、「ボトルにパウチを引っかけて詰替えを行う」構造とした。表面に詰替え方法のイラストを入れ、裏面に詳細な説明を記載。くぼみに色を付けて視認性を高めた。

菓子包装部門賞

『紫外線発色インキを使用したグミのパッケージ』

『紫外線発色インキを使用したグミのパッケージ』

  • 春日井製菓(株)
  • ダイナパック(株)

某コンビニ限定で、20代の若者をターゲットとして、紫外線により発色するインキを使用したデザインの変化を体験出来るパッケージを開発した。太陽光の紫外線のみに反応するインキを使用し、反応前は透明で反応後はピンク色に変色する。反応後に、屋内で室温放置すると透明に消色し、繰り返し変化することが可能である。期間限定発売で春に向けた商品コンセプトの為、桜の花の一部に紫外線発色インキを使用して、太陽にかざすと満開になる仕掛けをデザインで表現した。

『フロマージュ浮島・YUKI テイクアウト用パッケージ』

『フロマージュ浮島・YUKI テイクアウト用パッケージ』

  • (株)鎌倉紅谷
  • 笹徳印刷(株)

店舗限定チーズケーキ「フロマージュ浮島・YUKI」の持ち帰り・ギフト用として紙製のパッケージを企画した。天面四辺の角を曲線で波打たせることで、箱全体の柔らかさを表現した身フタ一体仕様の専用パッケージ。身の正面部の高さを下げることで開封時にチーズケーキの美しい姿全体を視認できるようにし、開封時のワクワク感を演出した。デザインはシンプルに全体をクリーム色でまとめ、天面に商品ロゴを銀箔押しで配置。材質は気包紙を採用。温かみのある質感と形状・デザインがマッチし、商品の特徴をイメージさせる雪のような優しさのあるパッケージに仕上げた。

『ファミリーパック 薄肉化・スマイルエコマーク導入』

『ファミリーパック 薄肉化・スマイルエコマーク導入』

  • (株)ロッテ

ファミリーパック商品の一部の材質を薄肉化することで、外袋のプラスチック使用量を約16%削減した。地球環境への配慮を葉のモチーフで表現し、自社製品で人々を笑顔にしたいという想いを込めて、「森林認証紙の使用」「再生紙の使用」「バイオプラスチック、リサイクルプラスチックの使用(重量比10%以上)」「プラスチック使用量削減基準製品比10%以上)」の4つの独自の環境配慮基準を制定し、基準をクリアした商品に表示できる「スマイルエコマーク」を作成した。

『「AZUKIBAR」シリーズ(RED BEAN、MATCHA、MILK)』

『「AZUKIBAR」シリーズ(RED BEAN、MATCHA、MILK)』

  • 井村屋(株)
  • IMURAYA MALAYSIA SDN.BHD.
  • 井村屋スタートアップ プランニング(株)
  • レンゴー(株)

井村屋グループ㈱がマレーシアにて事業会社として既に設立したIMURAYA MALAYSIA SDN.BHD.において、アイスクリームの現地での製造販売に進出した。井村屋㈱の主力製品「あずきバー」シリーズの特長を生かしつつ、マレーシア向けに完全ローカライズした。人口の約60%を占めるとも言われるムスリムの皆様にも安心して召し上がっていただけるよう、ハラール認証を取得した原材料を使用し、甘さや食感、パッケージデザインも現地の志向性に合わせた。海外で生産し販売する初めての「あずきバー」シリーズとなった。

『水性インクジェットを用いたプラスチックフィルムレスヒートシールバリア紙包装』

『水性インクジェットを用いたプラスチックフィルムレスヒートシールバリア紙包装』

  • (株)カナオカホールディングス
  • 三菱製紙(株)

サステナビリティをメインコンセプトに開発されたチョコレートのパッケージにおいて、プラスチックフィルムを廃し、紙のみの包装構成を採用した。紙には三菱製紙のヒートシール性、酸素・水蒸気バリア性を有したバリコート(FSC®認証紙)を使用し、デジタル水性インクジェット印刷にてコンバーティングの環境対応を追求した。版レス、有機溶剤レスであり、グラビア印刷と比較し、廃インキの削減、デジタル印刷による小ロット対応で資材在庫廃棄を削減した。

『ふくやラスク めんたい味』

『ふくやラスク めんたい味』

  • (株)ふくや

明太子を使用したお菓子として、明太子とガーリック味と、明太子とシュガー味の2種類のラスクを開発した。外装箱は、2つの味の商品の組み合わせで一連のBOXになる。外面にスケートボードに乗った少年を配置し、陳列方法を工夫することで、手をつないだようにみえる。また、留めシールをはがすと、本のように広がり、日本の高度経済成長期を思い出させるような懐かしいデザインとした。中面を円形に切り抜くと、子供は“メン(たい)コ”として遊んだり、大人には缶ビールやカップの“コースター”として使用できる。

『エクセレントスイーツ シリーズ(ミルファス、ラシュクーレ、レザンヌ、マイリーフ)』

『エクセレントスイーツ シリーズ(ミルファス、ラシュクーレ、レザンヌ、マイリーフ)』

  • (株)ブルボン

商品リニューアルの際に、高級感の演出に加え、環境に配慮した商品となるよう包装材質の見直しを行った。小箱のコートボールにはFSC認証紙を採用、また、個装フィルムの厚みを見直し、5ミクロンの薄物化と、フィルムの一部にバイオマスフィルムを採用した。フィルムの薄物化とバイオマスプラスチックの採用により、温室効果ガスの削減に大きく寄与している。商品のパッケージには、(一社)日本有機資源協会のバイオマスマークとFSC認証マークを表示している。

『こんにゃくゼリーソーダ系シリーズ外装ケース』

『こんにゃくゼリーソーダ系シリーズ外装ケース』

  • レンゴー(株)
  • (株)アイエー・フーズ

こんにゃくゼリーソーダ系シリーズのパッケージリニューアルに合わせ、外装ケースデザインもリニューアル。従来は茶ライナを使用していたが、より商品の識別性を高め、ブランドとしてのイメージアップも目的として、古紙100%で環境に配慮したレンゴーの開発原紙スマートエコホワイト(SEW)に変更した。新しいライナの色で識別性を高めつつ、環境にも配慮している。デザインではパッケージのリニューアルに伴い、動物のイラスト等を入れ世界観を踏襲して賑やかに演出し、シズルと各品目カラーでフレーバーが伝わるように展開した。

飲料包装部門賞

『1本飲めば、環境保全活動の第1歩!SDGsに沿ったカラフルスムージーパッケージ』

『1本飲めば、環境保全活動の第1歩!SDGsに沿ったカラフルスムージーパッケージ』

  • (株)ふくれん
  • 日本財団「海と日本プロジェクト」
  • RKB毎日放送(株)
  • 日本テトラパック(株)
  • 日本ストロー(株)
  • 王子コンテナー(株)
  • (株)岡山製紙

6社協業の「ふくれん×海と日本プロジェクトCHANGE FOR THE BLUE」コラボ商品として、SDGsへ対応した飲料とパッケージの開発および販売促進活動を行った。POP(トレイ、什器)には、デジタル印刷段ボールを採用した。紙パックは、「テトラパックリサイクル便」にて無償回収する。バイオマスプラ(バイオPE)を25%以上配合した「バイオストロー」を採用した。段ボールはリサイクル率90%強の一般段ボールを使用。パックデザインを反映したデジタル印刷を採用した。紙パックに印刷したQRコードから、キャラクター「分別くん」が楽しく「ごみ分別」を伝えるアニメ動画が視聴できる。

『極小ロット対応デジタル印刷タックラベル酒缶「ICHI-GO-CAN®」』

『極小ロット対応デジタル印刷タックラベル酒缶「ICHI-GO-CAN®」』

  • 東洋製罐(株)
  • (株)Agnavi

様々な日本酒銘柄を容易に入手しやすい仕組みづくりとして、日本酒の大敵であるUVを遮光でき1合180mlサイズのアルミ缶を容器として、蔵元で充填・ラベリングした地酒を取りまとめて販売する「ICHI-GO-CAN®」ビジネスを構築した。無地のアルミ缶とデジタル印刷によるタックラベルを蔵元へ提供するとともに、簡易的な充填設備とラベリング装置をレンタル提供することで、初期設備投資を大きく軽減し、詰め口の人手不足も低減できる。品質維持のため少量生産となっている地酒でも新鮮な状態で消費者に届けられ、地方の酒蔵の魅力を発信することができる。

『アルミカップ(ルミサス)』

『アルミカップ(ルミサス)』

  • 東洋製罐(株)
  • 東罐興業(株)

SDGsの実現/脱プラを目的として、独自の技術/材料を用いた飲料用アルミカップを開発・実用化した。循環型資源のアルミ採用、薄肉/軽量、ユーザビリティを満足する形状が特徴となる。

aTULC(aluminum Toyo Ultimate Can)技術により、製造時の水使用量ゼロ且つエネルギー消費量を最小限に抑えた。しごき&絞り成形技術にて、輸送/使用時の容器性能を満足する最適レベルの軽量化・カール形状最適化による良好な口当たり・スタック状態からの容易な切り離し・入り目線による充填量の目安・最適な積載効率・良好なグリップ性・衛生性確保等を実現した。

『剥がしやすく糊残りしにくいロールラベル用の新規糊~クラフトボス、天然水スパークリング~』

『剥がしやすく糊残りしにくいロールラベル用の新規糊~クラフトボス、天然水スパークリング~』

  • サントリーホールディングス(株)
  • トーヨーケム(株)

PETボトルのロールラベル用糊について、工場での糊の最適な塗布量やその時の接着力を定量化し、ユーザビリティ評価を実施して剥がしやすさの目標値を設定することにより、相反するお客様ユーザビリティ性と工場での生産性を両立する糊を開発した。ペットボトルに糊が残らないことで、リサイクル工程の効率化と品質向上が見込まれる。

『「アサヒ十六茶」PET630ml ダイレクトマーキングボトル』

『「アサヒ十六茶」PET630ml ダイレクトマーキングボトル』

  • アサヒ飲料(株)
  • (株)リコー

「完全ラベルレス」の業界初の手売りチャネルへの展開拡大を目指すべく、㈱リコーのレーザーマーキング技術を活用した『アサヒ十六茶』PET630ml ダイレクトマーキングボトル』の開発を行った。タックシールを使用しない「完全ラベルレス」を実現することにより、飲用後にタックシールを外す手間が省け、更にラクに分別することが可能となった。レーザーマーキング技術を用いて、商品名・原材料名・お問い合わせ先・リサイクルマークを表現しているため、タックシール分のプラスチックの使用量を削減することが可能となった。

『カゴメトマトジュース「スマートecoボトル」』

『カゴメトマトジュース「スマートecoボトル」』

  • カゴメ(株)
  • 東洋製罐グループホールディングス(株)
  • 東洋製罐(株)
  • (株)フジシール

従来のスマートPETのユーザビリティ向上と環境対応を両立させた刷新により、「スマートecoボトル」を開発した。プリフォーム重量を従来スマートPETよりも軽量化し、メカニカルリサイクル材を100%配合した。ラベルは従来スマートPETの七分丈から五分丈に変更かつ薄肉化し、プラスチック使用量を削減した。ボトル中央部や側面に設けた窪みにより、ボトルに指をかけやすくなり握りやすさが向上した。ボトル短側面側肩部に設けた楕円状の溝から、薄肉化ラベルを指でつまみやすくすることで、ラベルを剥がしやすくした。ボトル胴部のパネルを極力排除し、ボトルを手で押した時の反発を少なくさせ、潰しやすくした。

『環境配慮型の3缶用包装』

『環境配慮型の3缶用包装』

  • サッポロビール(株)

環境配慮型3缶用包装資材を開発し、「ヱビスホップテロワール」で採用した。缶上部でのホールドを可能としたので、缶下部に資材を使用する必要がなくなり、従来6缶パックと比較して1缶あたりの紙使用量を約30%削減した。スタイリッシュなパッケージの形状で、アイキャッチ性に優れたものになった。簡便な構造でホットメルト等での装着が不要の為、店頭での装着が容易である。持った時の指あたりの改善及び指の切創対策として、指が当たる位置に半弧状の切欠きを付与し、資材上部に開封用ジッパーを設けることで取り出し易さに配慮した。

『手を使わずに容易に開口できるドリンキングリッド(香り窓付き)』

『手を使わずに容易に開口できるドリンキングリッド(香り窓付き)』

  • 東罐興業(株)

手を使わずに容易に開口でき、飲用時に同時に香りが楽しめるドリンキングリッドとして、蓋天面の突起に上唇を押し当てるだけで飲み口と香り窓が同時開口し飲用が可能になる“ノンアクション”方式を開発した。コップを傾け飲用動作に入りながら蓋天面にある飲み口(切り込み部)の突起に上唇を押し当てることで、手を使うことなく飲み口が開口し、飲用が可能となる。更に飲み口が開口すると鼻孔付近の香り窓も同時開口し、飲料の香りが楽しめる。

化粧品包装部門賞

『アルビオン プリンプ パウダレスト』

『アルビオン プリンプ パウダレスト』

  • (株)アルビオン
  • (株)吉野工業所
  • 王子ホールディングス(株)
  • 上六印刷(株)

シルバーのラインが引き立つミニマルな形状で、洗練された美しさを追求。血色感のある色と質感で、素肌のようなやわらかさを表現した。詰替用容器は従来のプラスチック容器から新たにパルプ製容器を採用し、プラスチックレス化を実現した。また、デリケートな中身を衝撃から守るための機能面に加え、色や質感においても繊細な調整を重ねた。箱の形状は、別添能書の替わりとして説明文を内側へ記載したスリーブ状にし、紙の使用量を削減した。

『ポーラB.A ベースメーク』

『ポーラB.A ベースメーク』

  • (株)ポーラ

過酷な環境でも輝き続ける生命の個性・多様性に着目し、アーティストの撮影による神秘的で個性的な植物のX線画像により、生命の本質に迫る美しさを追求するデザインとした。容器については、リフィル容器を採用することで廃棄容器低減し、一部バイオPETを使用することで環境保全に配慮しつつ、従来の高級感のあるブランドカラーの深い黒を再現した。箱についてもFSC認証紙を採用。また、従来別添されていたパンフレットを削除し、そこに記載されていた情報をQRコードに集約した。

『パラビオ ACセラム サイ』

『パラビオ ACセラム サイ』

  • (株)ヤクルト本社

デザイン性と機能性が共存するパッケージの開発を行った。容器全体に日本の伝統文様である「七宝つなぎ」をあしらうことで、無限に続く永遠の美の連鎖を表現した。中央がくびれた形状でグリップ性が高く、底部が広がっているため高い安定性を有する。また、残量が確認しやすく、最後まで使いやすい。シボ加工と彫刻で表現された「七宝つなぎ」は、滑り止めの役目も担う。ユニバーサルデザインフォントを採用し、責任表示の判読性を高めている。

医薬品・医療用具包装部門賞

『“進化を続ける”ディンプルボトル』

『“進化を続ける”ディンプルボトル』

  • 参天製薬(株)

胴部のスクイズ面に凹み“ディンプル”を持たせることで易しく点眼できる工夫、10角形のキャップにより開封し易く転がり難くした工夫、ラベルにスリットを設けることで残液が確認できる工夫等、点眼容器の“使いやすさ”や“見やすさ”を向上させる機能が、10年以上前から設けられている。さらに、ボトル材料にバイオマスプラスチックを使用することで、点眼容器に求められる品質を維持したまま環境負荷低減へ貢献するという“新しい価値”を追加することができた。

トイレタリー包装部門賞

『アリィー クロノビューティ ジェルUV EX 限定パッケージアリィー クロノビューティ トーンアップUV 01 限定パッケージ』

『アリィー クロノビューティ ジェルUV EX 限定パッケージアリィー クロノビューティ トーンアップUV 01 限定パッケージ』

  • 花王(株)
  • 凸版印刷(株)
  • (株)カラーインク

日やけ止めのアリィーが「Think Sustainability Action」を始動。一部の国・地域・ビーチの規制に配慮した設計の「ビーチフレンドリー処方」を新採用し、商品の売上の一部は、環境保全団体に寄付される。その取り組みの一つとして、外装をフィルムから、アップサイクル紙の箱に変更。「TAKE CARE(思いやり)で、みんなが笑顔になれる未来へ」という考え方を掲げている『ピーナッツ』の作者チャールズM.シュルツ氏は、原作コミックの中で、自分自身や周りの人たち、そして地球を思いやることの大切さを数多く描いてきた。アリィーもこの考え方に賛同し、コラボレーションが実現した。

『yuskin hana』

『yuskin hana』

  • (株)エイトブランディングデザイン

既存のお客様のイメージを損なわないよう工夫しながら、新規ユーザー開拓のためにパッケージリニューアルを行った。個別包装をプラスチック製から紙製に変更することで、環境への配慮も行っている。キャップを外して最後まで中身を使いきれる環境に優しいデザインとし、花をモチーフに切り絵風のイラストをあしらい、現代的でナチュラルな雰囲気に仕上げた。

『ヤシノミ洗剤 エコパケセット』

『ヤシノミ洗剤 エコパケセット』

  • サラヤ(株)

ヤシノミ洗剤の50周年記念として原料生産地・ボルネオの自然をデザインテーマにした限定デザインのセット商品を制作した。近年問題になっているプラスチック海洋汚染問題について、人と地球にやさしいヤシノミ洗剤だからできる環境へのアプローチとして、〈100%リサイクルPETボトル〉〈植物樹脂を含んだつめかえパック〉〈FSC認証紙のセット箱〉など、持続可能な素材を採用した。

日用品・雑貨包装部門賞

『シルコットウェットティッシュ(99.99%除菌)大容量100枚』

『シルコットウェットティッシュ(99.99%除菌)大容量100枚』

  • ユニ・チャーム(株)
  • 大日本印刷(株)

大容量横置きボックス形状のウェットティッシュ商品。柔軟パッキンを硬質容器の立ち上げリブに摺り当てる構造で、シートの含浸液が乾燥してしまうリスクを軽減した。ボタンバネ反発応力と上蓋とボタンの鍵部の摺動距離の設計で、気密性を維持しつつ指一本で開けられる。底蓋に凸状に押し込める可動域を設ける構造で、残り枚数が少なくなってもシートが取出しやすい。テーブルに置かれる高級箱ティッシュの高さを越えず天面を平らにすることで、違和感を低減した。開口部を∞状にして指が出し入れしやすく指に当たっても痛くなりにくい側面処理で、シートが落ちた時の嫌悪感が少ない。

『量り売り堂』

『量り売り堂』

  • 花王(株)

SDGsの活動が高まる今、より多くの人々に容器を捨てない新たな選択肢のひとつとして「量り売り」を経験してもらうため、花王の洗剤と柔軟剤が必要な量から買うことができる売り場と、くり返し持参して使えるパッケージをトータルでデザインした。のれんや風呂敷といった日本の量り売り文化をモチーフに、親しみやすさとわかりやすさを表現し、環境へのアクションの心理的ハードルを下げる工夫をしている。また、容器を捨てずに使い続けたくなるような普遍性のあるパッケージを目指した。

『NONIO マウスウォッシュつめかえ用ecoPACK』

『NONIO マウスウォッシュつめかえ用ecoPACK』

  • ライオン(株)

今まで使い捨てであったボトル容器につめかえて使う、洗口剤用つめかえパウチを開発し、廃棄プラスチック量を約76%削減した(本体600ml容器との比較)。大容量でありながら、店頭の洗口剤ボトルの棚に入るコンパクトな高さで陳列しやすい一方、パウチ高さが低く正立時に上部がたわみやすいため、外観と輸送振動によるダメージが課題となった。そこで、パウチ下端を両側端に向かって傾斜形状とし、スタンディング性を改善することで課題を解決した。また、注ぎやすいスパウト角度を設計し、低粘度の洗口剤もつめかえやすくすると共に、環境配慮イメージを醸成し、シンプルでスタイリッシュな手に取りやすいデザインとした。

『CARTON 2.0』

『CARTON 2.0』

  • (株)コクヨ
  • (株)アイザック

水産品や冷蔵品を運ぶために使用される段ボールを用いて、日常生活の中で使いやすいアーカイブ(保存)箱を開発した。段ボール原紙にPETアルミ蒸着フィルムをラミネートした機能性素材により湿度から内容物を保護し、保冷やその構造から水も入れる事ができ、植木鉢の代用もできる。大切な書類や服の保管、食品の保冷、ランドリーボックス、プランターボックスなど暮らしの様々なシーンで活用できる。組み立てには一切接着剤を使わず本体と蓋を箱状にできる。

『たまぷち』

『たまぷち』

  • 川上産業(株)
  • (株)ネクアス

卵殻は年間約20万トンが排出されるが土壌改質や肥料として使われる一方、大半が廃棄物として焼却処分される。そこで、廃棄物由来のバイオマス原料である卵殻と再生原料比率の高いプチプチのコラボにより、アップサイクル商品を開発し、且つ焼却処分時に排出されるCO2排出量の削減を目指した。プチプチの粒がない平滑な面に卵殻含有フィルムをラミネートした構造。卵殻がフィルム表面に凹凸をもたらし和紙のような質感がある。フィルムに顔料を添加することで着色が可能で、幅広い用途に対応可能である。

『キャザン』

『キャザン』

  • 河原紙器(株)
  • (株)アイザワ

キャンプ時における、焚火の燃焼補助具。中身商品は薪などを立てかけやすくするとともに、包み込めるように波形状の山型に設定した。包材は材料の使用量を削減すべく、最小のパーツにて構成し、吊下げ機能と共に、必要最小限で「包む」構成とした。また、扇形になっているので、火を起こす際は団扇としての使用が可能である。

『ハナノアシュリンクレス』

『ハナノアシュリンクレス』

  • 小林製薬(株)

鼻用洗浄液「ハナノア」で、ラベルを無くした環境に配盧した仕様に変更した。CO2レーザー印字を応用しボトルヘ直接印字を行い、多くの加飾を施して製品化することに成功した。ボトルヘ文字やロゴまで印字するという、ヘルスケア業界初の取り組みであり様々な製品へ横展開が可能である。

『シュミテクト コンプリートワンEX ハブラシ レギュラー』

『シュミテクト コンプリートワンEX ハブラシ レギュラー』

  • グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン(株)

歯ブラシのパッケージは、プラスチックの包装に台紙を接着した「ブリスターパック」が一般的だが、全て紙資材の100%プラスチック不使用のパッケージを開発した。台紙には、再生紙(約90%)を使用し、中の歯ブラシを見せるための窓部分にもプラスチックを使用せず、透明なセルロースフィルムを使用。店頭で消費者の方が好きな歯ブラシの色が視認できる構造を達成した。

『止まり木ハンモック式包装』

『止まり木ハンモック式包装』

  • (株)リーフ
  • レンゴー(株)

備長炭を使用した小鳥の爪とぎ用とまり木の段ボール製ネット緩衝材を開発した。製品を置いて巻くだけで、ネット構造の緩衝シートが製品にフィットし、四隅に脚が出現して宙吊り状態となり、優れた包装作業性と緩衝性を実現した。また、エアキャップが不要で段ボールのみの仕様とすることで環境負荷低減に配慮している。

贈答品包装部門賞

『ポストインギフト! “梅”が保護する梅昆布茶パッケージ!』

『ポストインギフト! “梅”が保護する梅昆布茶パッケージ!』

  • (株)クラウン・パッケージ
  • 中田食品(株)

スティックタイプ粉末茶を気軽に贈れるギフトパッケージとして開発。非対面での受け取りができ、再配達も不要なポストインタイプとした。可愛らしい梅を用いたデザインを採用し、梅花をあしらった中仕切で商品を固定しながら開封時のサプライズ感を演出。美粧性も備えた極薄段ボール「マイクロフルート」を用い3層構造による安心の緩衝性を持つ。商品をしっかり保護するとともに、形状の工夫により配送時の破断リスクを低減しながら開封し易いパッケージとした。環境に配慮し、素材には森林認証紙を採用。

『鳩サブレーのパッケージ紙化「紙製の大型仕切りトレー・緩衝材」』

『鳩サブレーのパッケージ紙化「紙製の大型仕切りトレー・緩衝材」』

  • (株)豊島屋
  • 日本製紙(株)

鎌倉の銘菓「鳩サブレー」の缶箱と紙箱で使う大型プラトレーとエアパッキンを紙化した。輸送と梱包テストを繰り返し、強度とクッション性を両立するパルプモールドの仕切りトレーと紙製エアパッキンが完成した。パルプモールドの底部などの構造や深さを工夫して開発に約2年を要した。2021年1月から鳩サブレーの新パッケージで使用し、紙化の取組みにより使い捨てプラスチック使用量を年間100トン削減できると見込んでいる。

POP・店頭販売包装部門賞

『リバーシボード』

『リバーシボード』

  • レンゴー(株)
  • クラシエホームプロダクツ(株)

外装箱の内側に印刷を施し、裏返して使用する店頭販促ボードを開発。展開時の「ゴミゼロ」を実現し、店頭廃棄オペレーションの手間を削減することができた。①ボード両端のヒレを折り込み、紙脚を収納、ボードと外装箱を兼用とした。②ボード天地に15mm程の額を設け、ボード自体の反り強度を上げた。③ボードは左右に150mmずつ伸ばすことを可能とした。これらの仕様により、従来に比べ、紙の使用量を約53%削減、輸送費用も約25%削減できた。

『苺2パック用6角手提箱』

『苺2パック用6角手提箱』

  • 水戸農業協同組合
  • 森紙業グループ

JA水戸の直売所での苺2パック用販売において、他産地にはない6角形状手提箱を開発した。底面はアメリカンロック形状にすることで底抜けせず、6角形状の箱組みを容易にした。天面は持ち帰りに便利な手提げ形状を採用。角面部分の穴に、中身の苺パックの縁が掛かることにより固定され、輸送時に中身を安定させる事が実現できた。形状とデザイン提案により産地のブランド化に繋がるものとした。

『100%紙製ハンガーDP』

『100%紙製ハンガーDP』

  • アートナップ(株)
  • (株)リンクス

一般的にはプラスチックのフック、金属製の引っ掛け部材、そして紐を厚紙の台紙に取り付けて構成されているハンガー什器の完全オール紙化を実現した。台紙に対し、紙製フックは差込式で固定。紙製フックは後方に引っ掛けがついており、店頭什器に常備されているメッシュ面に引っ掛けて固定することもできる。紙製フック1本につき耐荷重500g。

駅係員の古制服をリサイクルしたプラスチック容器回収ボックス』

『駅係員の古制服をリサイクルしたプラスチック容器回収ボックス』

  • ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング(株)
  • 東急電鉄(株)
  • 門倉貿易(株)
  • ベータ・デザイン(株)

2020年11月より継続実施中の、プラスチック使用量減&リサイクルを推進する「UMILE(ユーマイル)プログラム」において、東急電鉄㈱と連携し、廃棄予定の東急電鉄駅係員用制服を綿に戻したのちボード化し、回収ボックスを作成。田園都市線南町田グランベリーパーク駅改札付近に常設している。回収ボックス前面を透明窓とし、投函口付近にフタをつけることで、心理的にゴミを入れ辛い設計とした。駅に回収ボックスを設置することで、平日の通勤・通学前や土休日のお出かけの際等、より幅広い方々がさまざまなシーンで気軽にプラスチックをリサイクル出来る環境を提供していく。

輸送包装部門賞

『胴膨れ抑制「昇・間欠二重罫線」』

『胴膨れ抑制「昇・間欠二重罫線」』

  • サントリーホールディングス(株)
  • レンゴー(株)

近年の夏場の異常気象を受け、ケースの胴膨れが大きくなる傾向にあり、座屈やさらには倒壊のリスクが増加している。それらの抑制のため一重罫と二重罫を交互に配置した「間欠二重罫線」の両端の罫線を上側に傾斜させることで、中央の罫線を胴面側に(上側に)寄せ、胴膨れの要因となりやすい一重罫部が接地しない状態とした。これにより、使用材料のグレードアップや面積を従来仕様から変更せず胴膨れを抑制できる形態を実現した。

『しっかり省資源「ビクトレイ」』

『しっかり省資源「ビクトレイ」』

  • フルーツ山梨農業協同組合
  • 全国農業協同組合連合会山梨県本部
  • レンゴー(株)

青果物向けトレイでは、しばしば強度不足による潰れが問題となっていた。そこで、①トレイの底面を湾曲罫線とすることで、潰れやすい長側面パネル部への荷重を軽減し、角部の強度負担を増大させた。②内フラップに傾斜を設けて側面の直立を保持する設計とした。従来は使用材料のグレードアップや面積の増加で対応していたため、CO2排出量の増加や資材コストアップにつながるという課題があった。今回の設計改善により、省資源化と強度アップを両立させる形態を実現できた。

使用量削減可能ボトムロックケース「サクサクワンタッチ」』

『使用量削減可能ボトムロックケース「サクサクワンタッチ」』

  • (株)トーモク
  • (株)シップス

底面がワンタッチで組みあがるボトムロックケースは、作業効率が良く、多くの利用がある。しかし、A式箱より段ボール使用面積が増え、コストアップが課題だった。そこでロック方法を見直し、A式箱と同じ使用量で簡単に組み立て可能なケースを開発した。特徴として、箱を開くと短側面フラップが長側面フラップの切れ込みへ差し込まれ、底面が固定でき、長側面フラップ同士のロックが不要、底面は長側面と短側面とが噛合う為、組立後の形状保持や底抜け防止などの機能も維持している。この結果、段ボール使用量が削減でき、コストダウン、約5%CO2削減が出来た。

『新開発フラップの反発を抑えるアーチ状罫線』

『新開発フラップの反発を抑えるアーチ状罫線』

  • (株)ADEKA
  • 王子コンテナー(株)

強度のある材質を使った0201形でもフラップの反発を抑え、テープ封緘で隙間ができない外装箱を開発した。従来、フラップの反発を抑える方法として、0201形のフラップ罫線を段違いにし全抜き加工していたが、0201形の製造よりも1工程多く、コストアップとなっていた。そこで、外フラップに円弧状の罫線を追加し、外フラップの反発力を低減させ、内フラップの罫線下にも罫線を追加し、フラップを重なりやすくした。この結果、0201形と同じ工程で製造でき、段ボール使用量を約6%削減、リードタイムも短縮することができた。

『酒類持ち帰り箱「左右あわせ技で1本!!2本用もあるよ」』

『酒類持ち帰り箱「左右あわせ技で1本!!2本用もあるよ」』

  • 大王パッケージ(株)

従来の酒類持ち帰りはミラーマット+エアキャップ+レジ袋で梱包しているが、作業工程が多く、梱包作業者の技量も求められていた。そこで、1枚の段ボールシートの左右の側面を互いに差し込むだけで、糊貼り不要で、酒類の持ち帰り箱が形成され、酒瓶を入れ取っ手を成形すれば、持ち帰り箱として完成する、という特徴を持つ箱を開発した。これにより、段ボールだけで簡単に梱包でき、持ち帰りが容易な、おしゃれな持ち帰り箱を実現した。

『ハコレター』

『ハコレター』

  • (株)サガシキ

顧客データベース・会員組織を持つ企業や団体が顧客の状態や属性に基づいて送付対象を抽出し、コンバージョン(会員登録・資料請求)やリピート(再購買・再来訪)につなげるシーン全般での活用を目的とした、あらたなDM品の開発を行った。本品は、中身と封筒が一体型になっているため、封入作業がなくなり、パッケージと同じ生産ラインで製造が可能、デジタル印刷との併用でダイレクトに宛名も印刷でき、従来にない、パキっと折って開封できる新たな形状を持ち、またオール板紙性のため、古紙にそのまま回すことができる。

『一気開封袋®(PV+)』

『一気開封袋®(PV+)』

  • 大石産業(株)
  • 柳沢製袋(株)

製粉用紙袋(PV袋)は、底部のカットテープを引く事で開封する仕様が主流であるが、開封時にカットテープが分離するため、異物混入、廃棄前紛失の恐れがあった。また、プラスチック製のカットテープを、環境面から無くしたいという要望もあり、これらを克服した紙袋を開発した。この「一気開封袋(PV+)」は、カットテープを使わず、開封部の化粧紙を剥がして開封することで、プラスチックの排除、コンタミを防止、更に開封時の動作工程を減らした。この結果、プラスチックの使用量を工場当たり約1t/年、開封時間を約20%削減した。また、開封後の化粧紙は本体に接続されたままとなるため、異物混入や廃棄前紛失は完全に解消される。

『味ぽん易開封デザイン段ボール』

『味ぽん易開封デザイン段ボール』

  • (株)Mizkan
  • レンゴー(株)

従来は商品陳列時に店頭で段ボールをトレー状にする際はカットテープで開封していたが、ミシン刃で開封するシェルフレディパッケージを開発し、作業時間短縮と美粧性向上を実現した。ミシン刃ピッチの工夫と開封補助罫線により耐衝撃性と易開封性を両立させ、さらに段ボールシートをAフルートからBフルートに変更してケース納入時の輸送効率を高め、中芯の軽量化により併せて環境負荷低減も実現した。デザインは商品のおいしさを表現するために、商品ごとに固有の特色とキャッチコピーを使用する工夫をしている。

電気・機器包装部門賞

『電動トロリ包装のオール段ボール化』

『電動トロリ包装のオール段ボール化』

  • (株)日立物流

重量物を吊り上げ移動する電動トロリは重量物であるため、その包装は、外箱を段ボール、内側を木材および木材パッキンで構成していた。環境負荷低減の一環として、木材を使わないオール段ボール化に着手した。従来仕様では、内装材の木材に耐荷重性能、底抜け防止の機能を持たせていたが、新仕様では段ボールのみで内装材に同様の機能を持たせるため、新たな工夫が必要となり、内装材の「2重スリーブ」・「八角形構造」化、「強化段ボール台紙」の設置により耐圧性能を確保し、木材の廃止を実現した。この結果、木材の使用を全廃し、材料費も20%削減することができた。

『薄型LED シーリングライトの環境負荷物質低減包装』

『薄型LED シーリングライトの環境負荷物質低減包装』

  • セッツカートン(株)

薄型LEDシーリングライトの包装は、横入れ梱包が主流であった普及品タイプの外箱に比べ、薄型で重量が重い(約50%増)ため、上面入れ梱包で対応していた。そこで緩衝材であるサイドパッドに工夫を加えることで緩衝性を向上させ、落下基準をクリアし、横入れ梱包を実現することができた。この結果、段ボールの使用量を外箱で26%、緩衝材で39%削減することができ、CO2の排出量を34%削減して環境負荷を低減することができた。さらに段ボール使用量の削減により、大幅なコストダウンと、開梱後の段ボール廃棄量も減らすこともできた。

環境に配慮をしたオール段ボール化(ラミネート機用梱包材一式)』

『環境に配慮をしたオール段ボール化(ラミネート機用梱包材一式)』

  • ワコン(株)

ラミネート機(製品重量:約30kg)のモデルチェンジに伴い、従来段ボールと発泡ポリエチレンの組み合わせであった包装仕様を、環境配慮の要望からオール段ボール化を目指した。本体に排紙トレイと給紙トレイを接触させないよう、トレイパットをそれぞれ設計し、強度確保のため、折り構造のサイドパットを配置、電源コードは本体と排紙トレイとの隙間を利用して配置した。この結果、1角3両6面の落下試験もクリアし、要望通りの環境に配慮をしたオール段ボール化の梱包仕様とすることができた。

付属品収納スペースと緩衝材が一体となったRFIDリーダ用ワンピース包装仕様』

『付属品収納スペースと緩衝材が一体となったRFIDリーダ用ワンピース包装仕様』

  • (株)デンソーウェーブ
  • (株)デンソーロジテム
  • 中央紙器工業(株)

精密機器であるRFIDリーダの包装材として、部材点数の削減や組立作業性、製品保護機能を高めた環境負荷の少ない包装仕様を開発した。1枚の段ボールシートから外装箱と緩衝材が一体化した梱包箱であり、フラップには付属部品が収納できる構造を設けると共に、平板納品が可能で保管スペースの最小化を実現した。高い緩衝性能と組み立て作業性を兼ね備えた高機能梱包箱である。

『PC/タブレットのシンプルパッケージ』

『PC/タブレットのシンプルパッケージ』

  • (株)石野製作所
  • 山陽パッケージシステム(株)
  • (株)武田産業

PCの修理・入替は、不慣れな包装作業による破損問題が多くあり、その外形も12~15.6インチワイドまで多種あり、段ボール箱とPCの隙間に緩衝材を詰める従来方式は緩衝性もバラついた。そこで、多種のPCを一つの包装で収納できる「宙吊りワンピース・フィルム緩衝」を考案し実用化した。段ボール板にノンスリップ加工したポリウレタンフィルムを貼り、その間にPCを挟んで中央に宙吊り固定でき、狭い面を開閉部として耐荷重性を向上、3部品による包装で、簡単な折り曲げで組立でき、更に印刷表示により誰でも同じ包装ができるようにした。

『グレーの再生紙による造形の美しさと機能性を両立したパッケージ』

『グレーの再生紙による造形の美しさと機能性を両立したパッケージ』

  • ソニーグループ(株)
  • ソニー(株)
  • ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ(株)
  • (株)トクミ
  • (株)フェニックスエンジニアリング

脱プラスチックの基本姿勢を保ち、環境対応を可視化し、消費者に伝えることは、消費者のリサイクル行動と環境意識向上を具現化する意味で重要である。一般的な「コートボール」を用い、「再生紙の劣化感」を「高額商品包装」という異なる価値に変換した。「再生紙の無垢なグレー紙で作った造形の美しさと機能性の両立」から、グレー紙を全面に使い、容易に環境包装とわかる。劣化感あるグレー紙が、魅力的素材と認識されるデザインをカタチに。開封動作は「引き出す」を共通作法とし、商品との最初の出会いから使い出しに至る「機能性と演出」を両立した。包装すべてを「植物系材料」のみで完結した。

工業包装部門賞

『製品/環境に優しい“フラットホールド包装”』

『製品/環境に優しい“フラットホールド包装”』

  • 日産自動車(株)
  • (株)イノアックコーポレーション
  • 伊藤忠紙パルプ(株)
  • 中央紙器工業(株)

意匠面の保護が必要な塗装済み自動車用外装部品の包装材で、従来品は段ボールに化成品を貼り付けた固定材と塗装面保護用のポリ袋を用いていたが、環境に配慮したオール段ボール仕様の包装材を開発した。製品の裏側にフィットしたフラップ付き固定構造により、意匠面に触れずに平置きで梱包可能。さらに、従来品と新設品の2品番に梱包可能な汎用化構造を兼ね備えた包装材である。これらの結果、梱包作業時間56%削減、輸送効率11%向上を実現した。

『組立て2秒!丸ノコ4個入り配送用BOX』

『組立て2秒!丸ノコ4個入り配送用BOX』

  • ダイナパック(株)

従来、丸ノコは日本から海外工場に配送し、現地で調達した箱に入れ替え、付属品を加えたセットで梱包、販売を行っていた。より効率良く日本から丸ノコを配送するため、配送費用の低減と作業性改善が求められ、丸ノコ4個入れ固定用内材を開発した。シマオカロックを応用し、左右を巻くだけの「組立て2秒」の内材とした。丸ノコの刃が底面に当たらぬよう、内材で丸ノコ本体を浮かせた。丸ノコの重心位置に内材の折り返し部を配し、容易な組立て+少ない面積で強度を出した。内材の側面部がクロスの構造のため、内材が横倒れせず、安全に製品を配送可能。

『部品包装トレイ』

『部品包装トレイ』

  • TSK(株)

棒状の部品を指定コンテナ内に、寝かせた状態で、2列並べて収納する真空成形トレイの開発を行った。部品とコンテナ、及び真空成形品の寸法の関係上、水平に寝かせて並べるのは不可能であったため、部品を傾斜させてトレイに納めることで指定コンテナ内へ2列並べての収納が可能となった。またトレイを180°向きを変えることでトレイを積み重ねることが可能となり、輸送中の部品の飛び跳ねの抑制もできた。

『工業電子管用オール段ボール包装』

『工業電子管用オール段ボール包装』

  • SBS東芝ロジスティクス(株)

工業電子管は、内部に脆弱部を有し、発泡ポリエチレンを段ボールに溶着した緩衝材で製品を保持・保護していた。一方で、「脱」プラスチックや、2人作業が必要な集合箱サイズ・質量と言う課題があった。そこで、段ボールシートをシンプル&ミニマムに組み立てた、上下2ピース構造の保持・保護材を開発。製品保持部にフラップ構造を設け、フラップ面で荷重を均一に受けることで、製品本体へ局所的衝撃が加わらないようにした。結果、包装容積約77%、資材コスト約65%、輸送コスト約58%、作業工数約30%(1人作業可能)をそれぞれ削減。加えて、プラスチック緩衝材を全廃、CO2排出量を約25%削減し、環境負荷低減・持続可能性へ寄与することができた。

『製品固定と振動対策を1部品で実現したシンプル内装設計』

『製品固定と振動対策を1部品で実現したシンプル内装設計』

  • SBS東芝ロジスティクス(株)

製品の電磁接触器は、協力会社で製造、納品後に客先に出荷されるが、一部の部品が輸送振動により脱落を起こすリスクがあった。対策として、協力会社で発泡PEのブロックを挟んでいたが、確実な保持ができる仕様が求められていた。これらの品質的要求を満足する専用包装の開発を行った。内装材は製品1台に対し1個と言う構成とし、取り付け忘れ等のリスクが無く、確実な作業が可能となった。また協力会社から客先出荷時まで一貫して利用する運用とすることで、資材の効率的使用を実現した。さらに各所での開梱・再梱包が手早く行える様、作業性にも優れた仕様とし、従来の客先出荷梱包に対して約15%の梱包費削減も実現した。

『海外出荷シャフトギアの包装資材集約』

『海外出荷シャフトギアの包装資材集約』

  • 日本トーカンパッケージ(株)

シャフトギア12本を内材パーツにより上下各6本ずつに分け、出荷用外装箱に収納する包装。従来の内材パーツは形状の異なる上段用と下段用があり、ユーザーは2品目をそれぞれ発注・管理する必要があり、発注漏れなどの問題があった。このため内材パーツを共通化し、資材集約を目的とした検討を行った。その結果、内材パーツを長側面側で2分割することで、上下左右同一形状となり、資材管理品目の集約ができた。内材を左右で分割した際に使用する材料の削減を図る事ができ、約15%のコストダウンとなった。同一形状の内材を使用する為、間違いがなく作業効率も上がり工数削減となった。

『コンテナ用段ボールトレイ』

『コンテナ用段ボールトレイ』

  • (株)ユーパック

従来、製品である金属部品は、真空成型トレイを使用してコンテナボックスに収納し、工場間輸送されていた。生産台数が少なく真空成型トレイでは金型代が償却できない場合の段ボールトレイによる収納を検討した。段ボールトレイで同じ入数を実現するためには、真空成型トレイと同様の収納方法が必要であり、このため段ボールを両側から巻き込んだスリーブ状で両サイドを高くセンターが低い構造とした。製品の重量はセンターにある支柱に荷重が掛かるよう配置し、段ボールトレイの強度を考慮した。また製品は片方の突起した軸を穴に落とし込み、もう片方を製品の形状に合わせた穴にはめ込んで固定した。

『パイプ用通い箱』

『パイプ用通い箱』

  • 豊通ニューパック(株)

パイプ形状の製品用の通い箱で、既存の箱が樹脂射出成型品と低倍率発泡ポリスチレンを組み合わせた構造なため、非常に高価であり、安価なものの開発を検討した。製品の収納を機械で行うため、梱包材には精度と強度が求められた。そこでプラシートの打ち抜き品を組み合わせ、立体的な形状を構成するとともに、強度を持たせる工夫をした。組仕切りのスリットによるバタつきや強度不足を補うため、スリットの位置を上端にまで持っていき、根元のぐらつきを抑えるために底板を追加した。これにより抜き品の組み合わせでも精度と強度を持つ構造にすることができた。

『劇的改善! 作業者と環境にやさしい~巻くだけトレー』

『劇的改善! 作業者と環境にやさしい~巻くだけトレー』

  • ナビエース(株)

電子部品の包装で製品立ち上げ後、電子部品の生産数が3倍以上に増加、また新規電子部品の追加発売、と言う変化があり、部材点数及び組立工数削減、輸送効率向上、従来品と新規品の兼用梱包、更に包装材重量の削減を目指した改善を進めた。改善の結果、部材を1枚のトレータイプとし、部品点数を14点から1点とし、部材点数の管理、及び包材保管スペースを大幅に削減。また従来品と新規品の兼用梱包とし、包装品番の増加を防いだ。以上より、組み立て工数をトータル67%、CO2排出量もトータル30%削減し、生産数が3倍に増加しても組立時間増加はゼロに、また兼用化も可能となった。

『最“低減”パッド』

『最“低減”パッド』

  • (株)デンソーエアクール

国内向け汎用温水ヒータは、1990年代より販売されている多種類製品であり、包装材も当時のまま積層材を多用し、作業性や資材置き場、コストや共通化が課題となっていた。そこで、材料、梱包工数削減、包装材保管場所・輸送等、トータルコスト削減、を狙った包装改善を行った。ポイントとして、パッドを製品の共通部分を押さえる事で、約10種類の製品で共通化、対称形状とし、誤包装を低減、展開状態で納入し、輸送・保管効率向上とワンアクションで組み立て可能、とした。この結果、積層材廃止ができ、コスト20%、包装材の輸送・保管効率50%の低減を達成した。

『F.C.C.31H 北米向け八角カートン』

『F.C.C.31H 北米向け八角カートン』

  • (株)エフ・シー・シー
  • ムサシ王子コンテナー(株)

ATV(四輪バギー)用の駆動系部品の包装で、アメリカの組立工場へと輸出される。これまでもコストダウンと梱包作業改善を行ってきたが、梱包現場は深刻な人手不足の問題を抱えており、作業工数の削減は急務であり、包装仕様改善を実施すべく、新包材の開発に着手した。外装箱の八角形化、外装箱の底面のアメリカンロック部と付属仕切材を一体構造化を行った結果、箱形状の変更による箱圧縮強度向上による材料見直し、底部構造と材料ロス低減の工夫などの改善を施した。この結果、包材コスト-35%、組立工数-20%を実現した。

大型・重量物包装部門賞

『自動車部品海外輸送用段ボール器具』

『自動車部品海外輸送用段ボール器具』

  • 中央紙器工業(株)

新型コロナウィルスによる海上輸送の乱れにより、輸送用の器具不足が発生。従来の鉄製器具に代わる、安定供給可能なオール段ボール製器具の開発に着手した。特徴として、スリーブの4側面が外側に折れ曲がる構造により内容物の出し入れが容易となり、少人数且つ短時間で梱包可能なため、作業性が向上。従来の鉄製器具への段積みも可能。これらの結果、軽量化▲63%、安全性向上、作業改善など人と環境に優しい段ボール製器具の実用化に成功した。

『【脱スチール】CO2削減を実現したサステナブルな段ボール梱包』

『【脱スチール】CO2削減を実現したサステナブルな段ボール梱包』

  • 王子インターパック(株)

自動車シート用原反ロール(長さ1700×直径300mm)の包装で、従来ワンウェイ・スチールラック(内寸2200×1110×1010mm)に収納していたが、デッドスペースが大きくコンテナ積載効率に無駄が生じていた。また荷詰めの際、支柱で怪我の恐れがあり、安全面を最優先とした改善が求められた。そこで積載効率と作業効率向上を踏まえた改善を行った結果、外寸容積24%削減でき、1コンテナあたりの入り数が20%増加し、40ftコンテナの使用本数は15%削減。ケース組立工数は80%削減し、結果年間トータルコストが4,680万円削減。年間CO2排出は55%(1,200トン)削減効果が得られた。

『浴槽8製品 兼用梱包材』

『浴槽8製品 兼用梱包材』

  • (株)ハウステック
  • サクラパックス(株)

形態が異なる浴槽(8製品)の梱包要求を受け、「作業性・機能性」に配慮した梱包開発を行った。梱包対象製品は、製造LOTにも差があり、個別の梱包材では梱包費や資材管理面で複雑となるため、兼用可能な梱包材を前提とした。特徴は、浴槽底部の梱包材にあり、浴槽底面を支持する段ボール積層部材の位置固定にテープ等を使わず、「はめる」だけで固定が完結するものとした。また、兼用可能な部材は、形状を上下左右対称とすることで向きを指定せず、梱包エラーを減らした。また付属品の包装も、テープレスで底部梱包材に固定可能であり、場内保管にも適している。

『板金部品用台車』

『板金部品用台車』

  • ダイキン工業(株)
  • アイロップ(株)

内容品である中尺板金部品は、納入時に部品メーカー毎それぞれの荷姿で搬入されていた。そこで、部品メーカーからの納入後、そのままライン投入可能な共通台車を共同開発し、内装材を取り替えることで多品種の製品を収納可能、納入荷姿を縦置きとし、箱の積み上げ作業を廃止、工場内では手押し台車としても使用でき、ハンドリフトを使用せず組立ライン投入や入れ替え作業可能、段積み構造とすることで未使用時・背の低い製品の場合は段積みし、保管、輸送スペースの無駄を抑える事が可能となり、物流・保管・荷役作業を画一化した。

『EPS ユニークパレットシリーズ(PMCフィットパレット)』

『EPS ユニークパレットシリーズ(PMCフィットパレット)』

  • トーホー工業(株)

ULD(航空機への搭載用具)専用のEPS(発泡ポリスチレン)製パレットの開発において、現状のPMCタイプのULDは、T11パレットを積みつけする際に、そのままT11パレットを搭載すると搭載効率が悪く、嵩上げ用スキッドを敷いてT11パレットを搭載していた。この方法だと高さ分の容積ロスと重量分の無駄が発生していた。そこでPMCタイプのULD専用のEPS製PMCフィットパレットを開発した。本パレットはPMCタイプのULDに嵩上げ用スキッドを使用せずに6枚搭載できる事及びパレットの形状に工夫を施す事により、搭載面積は5.2%、搭載高さは11.3%向上した。また、T11パレットより80%以上軽量化できる為、貨物の搭載量が増える事により、1個あたりの貨物運賃の低減につながった。更に軽量化(1.7kg)の為、女性一人でもパレットの運搬ができ、作用効率の向上と作業負担の軽減につながった。

『コンプレッサの集合包装改善』

『コンプレッサの集合包装改善』

  • 三菱重工サーマルシステムズ(株)
  • 見田工作(株)

作業に時間を要する木枠の組み立て、製品1台毎の固定と昨今の資材費高騰が課題であったコンプレッサの集合包装改善である。上下段ボールでのサンドイッチ構造と複雑構造を持たない簡易形状の組み合わせにより製品固定、組み立て、開梱作業を簡素化し、作業費を約47%、着荷地での横待ち作業を100%削減した。また、総重量600kg超に耐える強度と低コストを両立した構造を段ボールで形成し、木材使用量を約58%削減した。

『A3複合機 紙を主体とした脱プラスチック包装』

『A3複合機 紙を主体とした脱プラスチック包装』

  • (株)リコー
  • SBSリコーロジスティクス(株)

自社の環境経営方針である「脱炭素社会の実現(温室効果ガスの削減)」と「循環型社会の実現(化石由来資源使用の削減、海洋プラ問題対応)」の実現を目的に、従来の発泡ポリスチレン緩衝材主体の包装材を、パルプモールド緩衝材へ切り替えた。段ボール製パレットを含め、紙製材料の重量割合が実に96%となる、紙主体の資源循環性の高い仕様を成立させた。この結果、従来商品比で包装材のプラスチック使用量を54%、プラスチック廃棄量を1,033t、温室効果ガス排出量を6,347t-CO2eq、それぞれ削減する。