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JAPAN  PACKAGING  CONTEST 2022 入賞作品一覧

包装技術賞

テクニカル包装賞

『資生堂サンプロテクターフェイスクリームSPF50+資生堂アフターサンインテンシブダメージSOS エマルジョン』

『資生堂サンプロテクターフェイスクリームSPF50+
資生堂アフターサンインテンシブダメージSOS エマルジョン』

  • (株)資生堂
  • 大日本印刷(株)

紙の使用により、プラスチック使用量を削減する。また、クラフト紙を使用することで、紙の温かみや天然の素材感を見て触って感じられるようにすると同時に、環境に配慮した製品である事を一目で分かるようにした。紙使用率約20%とし、プラスチック使用量を約20%削減、チューブヘッド部には植物由来PEを採用し、石油由来プラスチック約48%削減した。紙にはFSC認証紙を採用。中味を絞り出し易い、楕円形状のチューブ容器とした。

『GREEN-AL CUP(グリーンアルカップ)』

『GREEN-AL CUP(グリーンアルカップ)』

  • アルテミラ製缶(株)

アルミ缶で培った「Can to Can」水平リサイクル技術を、これまで使い捨てされることの多かった飲料用カップに応用して、何度でもリサイクルできるサステナブルなカップの開発に着手した。多様な印刷デザインをカップ外周の全面に印刷可能で、重ねても抜き取りやすいスタック性を持ち、保持しやすい胴径とした。金属容器特有の「しっかり感」があり、口当たりが良く冷涼感が伝わる飲み口となっている。屋外イベントやテーマパークでの飲料用ワンウェイ容器を想定し、使用済みカップを回収して再びカップ原料として利用する。

『メリット THE MILD 泡シャンプー&コンディショナー』

『メリット THE MILD 泡シャンプー&コンディショナー』

  • 花王(株)
  • (株)吉野工業所

シャンプーとコンディショナーが最初から「泡」で出てくるから、誰でも簡単ラクチンに洗髪ができる。シャンプー用フォーマーでは、地肌にやさしい処方を泡化するために、フォーマー内部ユニット(泡を作る部分)を多数個配置するオリジナルの設計を施した。また、一目で“やさしさ”が伝わる「ふわもこ泡」の実現のため、シャンプーとコンディショナーでメッシュの配置やサイズを変えることで、それぞれに適した泡径と空気量の最適化により、こだわった泡を実現した。フォーマーの形状が異なるためシャンプー・コンディショナーの識別性も向上させている。

『バスマジックリン エアジェット』

『バスマジックリン エアジェット』

  • 花王(株)
  • (株)吉野工業所

簡単に満遍なく洗剤を行き渡らせることができ、濯ぐだけで汚れが落ちる、新バスクリーナーの開発を行った。蓄圧ピストンを新搭載した新トリガーを採用することで、誰でも簡単に浴槽全体にスプレーすることを可能とした。また、一定のリズムで繰り返しレバーを引くことで、途切れることなくスプレーできるため、特に広範囲へスプレーする場合にはより効率的に全体へ薄くスプレーすることが可能となっている。さらに、ロングレバーとハンドガイドカバーをデザインすることで自然とレバー先端を把持でき、軽い引力で使用できるUD設計となっている。

『業界初!パレット3段積を可能にする大容量PET向け段ボールケース』

『業界初!パレット3段積を可能にする大容量PET向け段ボールケース』

  • (株)トーモク
  • サントリーホールディングス(株)

大容量(2ℓ)アセプティックボトル(以下ボトル)用段ボールケース(以下ケース)は軽量化が進み、積段時にケースだけで荷重を支えることが困難であり、ボトルも荷重を分担している。一方ボトルの軽量化も進み、ボトルを上下に歪ませて強度を出すため、ボトルが荷重を受ける際はケースが先に座屈してしまう状況だった。そこでケースの材質を変えずにパレット3段積を可能とする段ボールケースを開発した。ボトルの強度を最大限に発揮させるため、上下方向のボトル歪をケース角部で吸収しながら強度を発揮するケースとした。また圧潰が目立たず、外観を良好に維持することも可能となった。

『エバポレータ包装改善「L字形組立式内材」』

『エバポレータ包装改善「L字形組立式内材」』

  • (株)デンソー
  • (株)デンソーロジテム
  • 刈谷紙器(株)

自動車部品であるエバポレータの包装材は、段ボール台紙に積層段ボールを貼合した内材を使っていたが、機種ごとに製品仕様が異なるため包装材も個別であった。そこで包装材の共通化と手作業の削減により、コストダウンを図った。製品保護が本当に必要な箇所を見直し、L字形の内材一つで製品固定と配管保護を可能に、オイル缶が付属する製品は、L字形内材に缶の収納部を設けた。この結果、内材の部材点数を85%、共通化により内材の種類を75%、内材の体積を80%、包装材単価を56%、梱包工数を67%、包装体積を22%、包装材重量を52%、それぞれ低減し大きな改善効果を生んだ。

『次世代サステナブル6缶パック「エコパック」の開発』

『次世代サステナブル6缶パック「エコパック」の開発』

  • アサヒビール(株)
  • ウェストロック(株)

6缶パックの軽量化において、取組みの考え方を大きく変更して、世界で最も環境に良い形状とすることを最優先に大胆な開発に成功した。従来は重要視されていた広告機能を完全に省き、最小限の表示とすることで紙面積を缶350mlの6缶パックで77%、缶500mlの6缶パックで81%削減した。缶を一本ごとにネック付近で掴む構造にすることで従来以上の保持力を持ち、上から穴に指を差し込んで持ち運ぶことができる。サイドパネルを付けて構造を立体的にすることで剛性を向上させ、斜めや逆さにしてもバラけず保持可能である。

『バイオマスプラスチックを用いた世界初の医薬品用PTPシートの実用化』

『バイオマスプラスチックを用いた世界初の医薬品用PTPシートの実用化』

  • アステラス製薬(株)

バイオマスプラスチックを用いたPTPシートを世界で初めて商用化した。PTPシートを構成するバイオマスフィルムには、バイオマス原料由来のPEが使用されており、従来のPPフィルムと比較し、40%以上のCO2排出量削減となる。錠剤の取り出しやすさに加え、ポケット形状や外観についても従来品と同等で、長期間の使用期限・製品品質の確保も十分に満たしている。大幅な設備投資によらず、製造条件の工夫により既存PTP包装機で製造可能であり、今後業界全体でのバイオマスフィルム採用のトリガーとなりうる。

『環境配慮型低コスト使い捨て模擬肺』

『環境配慮型低コスト使い捨て模擬肺』

  • カネパッケージ(株)
  • (株)三幸製作所

医療従事者の感染リスクの低減とコスト削減を目的として、人工呼吸器使用の際の使い捨て模擬肺(テスト肺)を開発した。外殻部分のプラスチックカバーを紙化して有機廃棄物を低減し、CO2削減、80~90%以上のコスト低減を実現。使用する紙は安全性を考慮し、クリーンルームで使用される低発塵性紙、清潔感のある白色紙素材を使用。カバー形状はピロー型を採用し、肺の膨張と収縮を再現できるようにした。ゴムバンドはあえてピンク色のものを使用し、遠方からでも分かりやすいようにした。廃棄する際は紙カバー下部のミシン目から開いて簡単に分別できる。

適正包装賞

『ピュアリーフ エコ』

『ピュアリーフ エコ』

  • 三菱製紙(株)
  • 凸版印刷(株)

ポンプ式紙製容器の環境配慮型アルコール除菌液の製品を開発し、プラスチック使用量を約55%削減した。内容物を使い切った後は、側面の折込み溶着部を剥離することで、スクエア状から平面状態へ容易に変形可能なため、減容化と紙ゴミとしての廃棄性に優れている。詰め替え時には付け替えで対応することにより、ユーザビリティに配慮している。また、独自の容器構造により、口栓を中央につけられる特殊形状を実現。使い終えたらポンプだけを新しい容器に付け替えることができる。

『味匠漬シリーズ「彩京漬4種セット」』

『味匠漬シリーズ「彩京漬4種セット」』

  • (株)海渡
  • (株)ハイパック
  • 凸版印刷(株)

漬魚のEC通販で商品のロングライフ化、環境負荷低減の両立をテーマにパッケージの開発に取り組んだ。贈答箱の見た目の高級感を印刷デザインで表現し、8切れ、10切れ、12切れ入りの身蓋を共通にすることで、仕切りの変更のみで対応出来る構造とした。また、漬魚の個包装には、ハイパック社のスキンパック包装機を新規導入。透明バリアフィルム「GL BARRIER」による鮮度保持と、紙素材を活用したグリーンフラットの採用により、内容物のドリップを抑制できるパッケージとした。商品の陳列方法を、見栄えのいい平置きではなく、2段重ね置きにすることで、包材全体での用紙の使用量を削減した。

『トップスーパーNANOX紙パウチセット』

『トップスーパーNANOX紙パウチセット』

  • ライオン(株)
  • 凸版印刷(株)

総内容量2460g(1230g×2袋)をまとめて持ち運ぶことのできる板紙製セットパックの開発。

通常の7倍の内容量であり、消費者の「大容量化ニーズ」に対応。貼り加工無し、差し込みのみで手組みで簡単に組み立てることができる。ロックを兼ねた把手穴により手で持ち運び可能。

FSC認証紙(ミックス)の仕様によってライオンの環境取り組みへの消費者の認知・理解促進に貢献し、紙パッケージならではの広い平滑な面を有効に使った商品訴求が可能となった。

『アテニア プライマーショット』

『アテニア プライマーショット』

  • (株)ファンケル
  • (株)アテニア
  • (株)吉野工業所

機能性と女性らしさを両立した、印象的なスマートなフォルムになっている。専用容器にレフィルを入れてセットするだけのカートリッジ方式なので、簡単に詰替えができる。レフィルにはエアレス容器を採用し、容液を新鮮な状態で保ちながら、最後まで残さず使い切ることができる。レフィル容器の中身が減ると容器内のグレーのパーツが上がっていき、残量がひと目でわかるようになっている。レフィルタイプにすることにより、捨てる際のプラスチック樹脂量を従来容器より38%削減した。

『うま味調味料「味の素®」』

『うま味調味料「味の素®」』

  • 味の素(株)
  • (株)東京自働機械製作所

「味の素®」と「うま味だし・ハイミー®」袋品種を紙を使用したパッケージにリニューアルした。これによりプラスチック使用量を現行プラスチック包材比で約34%削減(年間約12トンに相当)を達成した。ワイドトップバッグ®形状であり自立性を有する。約2年間に及ぶ包材開発と工業化検討により、プラ包材同等の包装品質を持つ紙包材を開発し、包材サプライヤーや包装工場との連携で安定的な生産を実現した。

『キリン 生茶 コロジーボトル』

『キリン 生茶 グリーンエコロジーボトル』

  • キリンホールディングス(株)
  • キリンビバレッジ(株)

キリンビバレッジのCSV環境フラッグシップである「キリン生茶」は、昨今のお客様の環境意識の高まりや物流における人手不足の影響の顕在化に伴って、時代に適合した新形状ボトルを開発することとした。ついては、「商品情報を記載するプラスチックラベルや板紙、段ボールの使用量削減」や「製品をパレットに積載する箱数の効率化」の視点を開発要素として盛り込み、新形状PETボトル「グリーンエコロジーボトル」を上市した。

『同梱物のスマート格納』

『同梱物のスマート格納』

  • 京セラドキュメントソリューションズ(株)

商業用インクジェットプリンターの機能拡張機器として、大容量インク供給ユニットが発売されることになった。このユニットの同梱物は、収納効率の悪いL字型の部材や、また折曲げのできない長尺ホースなど、形状や材質も多様だった。そこで、これらの同梱物によって包装サイズが肥大しないよう、同梱物をユニットの緩衝材の内部に格納する包装を開発した。この結果、輸送用コンテナへの積載段数が2段→3段となり、輸送効率が50%向上、同梱物用の箱が不要となり、包材使用量が30%削減された。

『エコキュートタンクの適正包装設計』

『エコキュートタンクの適正包装設計』

  • ダイキン工業(株)
  • レンゴー(株)
  • (株)昭和丸筒

エコキュートタンクは、高さ2.2m、重量80kgの空洞状の製品であり、保護機能の向上と包装材使用量の削減という相反する課題の解決に取り組んだ。製品保護機能向上のため、支柱緩衝材を緩衝に効果的な部分のみに配置することで、製品の保護性を向上しつつ、包装材の使用量を抑えた。また支柱緩衝材は外装段ボールの切り込みに固定することで、簡単にセットでき、糊やテープも不要とした。この結果、包装材使用量を12%、材料CO2排出量を348トン/年、削減することができた。

包装アイデア賞

『マイキレイ バイ カオウ ナリッシング ボディウォッシュ(エアインフィルムボトル)』

『マイキレイ バイ カオウ ナリッシング ボディウォッシュ(エアインフィルムボトル)』

  • 花王(株)
  • (株)フジシール

樹脂量大幅削減を第一の目的に、メイン構成材にフィルムを用いて、「つめかえ容器」では無く、「本品容器」であるAir-in Film Bottle(エアインフィルムボトル)を開発した。フィルム3枚とネジ部を有するスパウトから構成される。外側の2枚のフィルムをシールして「空気回路」と呼ばれる空間を形成し、そこに空気を封入することで、浮き輪状の構造を容器胴・底部に形成し、容器のポンピング強度・起立安定性を実現した。これを外袋と呼ぶ。内側の1枚のフィルムは内袋と呼び、エアレスポンプを使用することで残量の低下に伴い収縮し(外袋は空気回路の効果で形状を維持する)、低残量と衛生性を実現した。トイレタリー製品全般、食品用途などにも応用可能。

『魅せるパッケージで脱プラ達成「クロスでパック」』

『魅せるパッケージで脱プラ達成「クロスでパック」』

  • (株)クラウン・パッケージ
  • (株)なっぷる

新商品のアップルリキュールを既存商品と差別化して販売するために開発した。屋根型のフタ・「カカオ豆の皮」を有効活用した素材の質感・グラフィックで商品のカントリーな世界観を演出している。極薄段ボール「マイクロフルート」を使用し、中央でクロスする構造の1パーツの組み形状で、プラやビニールを使用せずに商品を魅せることが可能。商品と箱の間に空間を作ることで緩衝性にも優れている。形状・素材ともに環境に優しいパッケージを実現した。

『クワガタロック』

『クワガタロック』

  • 大王パッケージ(株)

通販宅配用の段ボール箱において、製造コストや環境対応費用の増大に対応するため、省資源で低コストの包装資材の実現を目的に、新しい仕様を開発した。配送伝票(送り状ラベル)の貼付をテープ封緘代わりとする様式とし、従来の外フラップを用いたロック構造では、封緘面(箱天面)を仮留めするロック構造に用いる外フラップの長さが必要であり、使用材料の増加要因となっていた。そこでクワガタロックでは、仮止めロック構造を内フラップの一部を用いて形成することで、従来のロックが無い場合(0201型)と同等の材料面積での箱の形成に成功した。

『プレゼントボックス』

『プレゼントボックス』

  • (株)セブンアールコンフェクショナリー
  • ザ・パック(株)

リボンを結んだギフトボックスの華やかさをそのままに、紙単体で表現できる箱を製作した。プレゼントの演出として象徴的な大きなリボンをモチーフにしている。箱本体は立方体状で、上部に施された装飾部分は交差させて組むことで、シール・テープ等の留め具が不要な封緘機能も兼ね備えている。リボンを利用しないため結び直す必要がないが、再封も可能である。

『セーフティー機構付きプレフィル用シリンジ ClearJect WN-SD』

『セーフティー機構付きプレフィル用シリンジ ClearJect WN-SD』

  • 大成化工(株)

樹脂製注射筒に金属針および針を隠す安全カバー機構が一体化されたプレフィル用シリンジ。注射時にディスポ針を取り付ける必要がないため誤って針に触れる危険性が少ない。また、注射後は注射動作の延長上で針を自動格納し、ロックされることでリキャップ時の針刺し事故防止、再使用防止、安全な廃棄を実現している。また、キャップの側面に凹凸を付与することでグリップ感を向上させ外す際に滑らないよう工夫している。

『工数削減・環境負荷低減を目的とした緩衝スペーサーの開発』

『工数削減・環境負荷低減を目的とした緩衝スペーサーの開発』

  • (株)サンリツ

3種類のアルミケースの発送では、エアー緩衝材と段ボール箱を用いて月500ケース程を発送しているが、作業工数を要し、品質も安定せず、緩衝材は使い捨てであった。このため繰り返し使用が可能な、簡単に作業できるプラ段製スペーサーを開発した。スペーサーは、前後2か所にセットしてバンド留めでき、簡単作業で、かつ品質も安定し、3種類のケースに共通して使用でき、資材管理も改善された。この結果、毎月約600㎡のエアー緩衝材の廃棄がゼロに、平均3分を要した梱包作業が2分以内となった。スペーサーは使用しない時は重ねることで省スペースにも貢献した。

『スコッチ® 透明梱包用テープポータブル』

『スコッチ® 透明梱包用テープポータブル』

  • スリーエム ジャパン(株)

コンパクトで持ち運びに便利な新しい設計の梱包用テープを開発した。従来のテープにあるコアの部分を、円筒の3インチからわずか2mm厚の平板コアを採用する事で、約80%占有体積を削減し、軽量化かつ輸送効率向上した、非常に薄くコンパクトな設計となっている。さらにテープは手で切れる特殊フィルムを採用しており、「いつでも」「どこでも」「気軽に」使える梱包用テープを実現した。

『ハウス食品「おえかきカレーペン」』

『ハウス食品「おえかきカレーペン」』

  • ハウス食品グループ本社(株)
  • ヤマトエスロン(株)

描いて楽しい!食べておいしい!チューブ入りのカレーソースで、お皿やごはんに絵が描けるペン先がセットになっている。ペン先は子供が使いやすいように、子供の力でもカレーソースをまっすぐ描きやすいペン先の形状、カレーペンとわかりやすく持ちやすい外観形状、子供の誤飲防止のために、一度装着したら外せないロック機構と、万が一誤飲した場合に窒息しないための空気穴付与をした。チューブは肩部がなで肩で、最後まで絞り出しやすい。

『うるま御膳 4食ギフト箱』

『うるま御膳 4食ギフト箱』

  • 協業組合 ユニカラー

沖縄そば屋の第一号でもある「うるま御膳」生麵とスープの4食セットにおいて、国産の竹パルプ100%を配合した竹紙100%を使用したパッケージを開発した。印刷インキは、植物由来のボタニカルインキを使用し、表面加工に抗菌ニスを使用している。最大の特徴として、全国初サステナブルな竹炭パウダー入りのスミインキを使用している。デザインもレトロなイメージに仕上げ、材質がさらにレトロ感を強調する。

パッケージデザイン賞

『コカ・コーラ 新ラベルレスボトル』

『コカ・コーラ 新ラベルレスボトル』

  • (株)コカ・コーラ東京研究開発センター

“ラベルを巻く必要がない”という特徴を最大限に活かして伝統的なコンツアーボトルの曲線形状を再現しながら、Coca-Colaのスペンサーロゴをダイナミックに配置することで、より大胆なブランド訴求を試みた。この際、デボス(凹)ロゴの上にマット調のテクスチャを付与することで、ブランドロゴの視認性を向上させている。「100%リサイクル素材の活用」、「ボトル軽量化」も同時に達成し、サスティナビリティを取り入れた新しいコンツアーボトルを開発することができた。

『ジュレーム iP』

『ジュレーム iP』

  • コーセーコスメポート(株)
  • (株)吉野工業所

シリーズのカラーは、ブランドカラーとして定着している、海や海藻、潤いを連想させる、深いブルーを踏襲。容器の形状は、水面をイメージした多面体で、現行のクラシカルなイメージからモダンな形にリニューアル。ラベルは、透明にすることで、店頭での華やかさを演出した。ラベルには、各アイテムのピンクと黄色の差し色を入れて、高級感がありつつ若いターゲットにも買いやすい可愛らしさをプラスした。本体容器は、バイオマス素材で環境にも配慮した。

『日本酒180ml 6本入オープンケース』

『日本酒180ml 6本入オープンケース』

  • 高桑美術印刷(株)

日本酒の小瓶6本を入れる箱で1つのパーツだけで成り立つギフト箱を開発した。1パーツのみの箱なのでお客様の在庫管理が容易になり、箱を組み立てる時間の短縮に加え、コストダウンにも繋がった。観音開き型の形状で、フタ部分の裏となる部分を折り返し貼ることで強度アップとなり、印刷も可能。瓶をセットする穴に波刃を使用することで、輸送時の瓶の回転を防ぐことができる。

『角度自在変形緩衝材』

『角度自在変形緩衝材』

  • TOTO(株)

陶器の局部的な凸形状等により、直接陶器で荷重を受けることが出来ない場合であっても、陶器形状に沿って積層状の緩衝材を配置することで硬い陶器の特性を活かした荷重受け構造を実現。段違いになった緩衝材の切欠きを合わせてストッパーを差込むことで角度が保持でき、脱落やズレを防止する構造とした。切欠き位置を変更することで、角度も自在に変更が可能。また、従来の構造に対し、約30%の段ボール使用量も削減した。

『森のマイボトル』

『森のマイボトル』

  • アサヒユウアス(株)
  • アイ-コンポロジー(株)
  • (株)平和科学工業所

容器レスでの飲料提供を可能とし、飲料容器の使い捨てを無くすためのソリューションとして開発した、国内の間伐材を使用した日本初のマイボトルである。木材が感じられ、持ち歩きたくなる質感を実現した。キャップにはフィンガーリングを配置し、握力が弱い方でも持ちやすいように配慮した。底部形状をドーム形状としハカマ部で自立させることで耐圧性を確保、クラフトビールの量り売りにも使用できる。これによりビール販売時の容器が不要となる。

『有機スパイス袋用環境配慮型什器』

『有機スパイス袋用環境配慮型什器』

  • エスビー食品(株)

注目度が高まる「ORGANIC SPICE(有機スパイス)」シリーズを売場内でコーナー化し陳列するための什器として開発。売場陳列棚の最上段に設置し、上下2段の構造の中に、袋タイプの商品を20品(20フェース)陳列可能にした。資材には軽量でありながら高い強度を持ち、リサイクル可能な紙素材100%の「Re-boad」を使用。商品パッケージと什器の質感を統一し、ボードが一体化したデザインで有機商品の価値を訴求する。

『デジタル一眼カメラα7M4の脱プラ包装』

『デジタル一眼カメラα7M4の脱プラ包装』

  • ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ(株)
  • ソニー(株)
  • 日本包材(株)

デジタル一眼カメラの包装において、従来のプラスチックを多用した包装から、新しい包装仕様に変更し、プラスチック使用量を大幅に削減した。カメラ本体や同梱物の包装材にセルロース製不織布袋を採用し、ストラップベルトを束ねる帯をプラスチック製から紙製に変更、ケーブルを束ねるビニタイも紙製に変更した。これらによりプラスチック使用量を従来機種と比較し、80%以上削減した。

『COCOROIKI アイデザインライナー・アイデザインマスカラ ペーパーモウルドパッケージ』

『COCOROIKI アイデザインライナー・アイデザインマスカラ ペーパーモウルドパッケージ』

  • (株)邑
  • (株)エムエムジー
  • (株)名古屋モウルド

百花繚乱・華美なパッケージが主流となっている化粧品業界において、SDGs活動に資する古紙を使用したペーパーモウルドパッケージの開発に着手した。古紙と樹脂繊維を混合しパッケージを成型する技術を開発することにより、湿気などによる形状変化を受けにくい強度を持つパッケージを完成させた。また、化粧品パッケージとして制限のあるパッケージ表面デザインには、箔押しの技術を施し、日本古来の和紙を彷彿とさせる風合いある仕上がりのペーパーモウルドパッケージを実現した。また、裏面能書に使用するフィルムにも樹脂繊維を含有し、本体との高い密着性を実現した。

アクセシブルデザイン包装賞

『アルージェ シナモロール限定デザイン陳列什器』

『アルージェ シナモロール限定デザイン陳列什器』

  • 全薬工業(株)
  • (株)TANAX

商品を店頭で陳列する際に、店頭での開梱作業・商品陳列作業・販促物の設置作業の時間の短縮を目的とした外装ケースを開発した。特長として、外装ケース正面の2か所のコーナーを取り外すことで、ディスプレイを展示することが出来る。中身のディスプレイは、外装ケースコーナー2か所底面の半円により抜け落ちない構造とし、一般的なディスプレイ形状となる。外装ケースの正面からコーナー2か所を外側に45度開きながら外すことで開梱ができる。この結果、力が弱い人でも容易に外装ケースを開梱し、ディスプレイを展示することが可能となった。

『レンジでチンするハッピーレシピ』

『レンジでチンするハッピーレシピ』

  • キユーピー(株)
  • 凸版印刷(株)

皿に移し替えずにそのまま食べさせられる容器形態を開発した。袋ごとレンジ加熱ができる材質構成と自立性のあるパウチ設計を採用。保護者の片手に収まりやすい形状で、切り取り口を上下2か所に付与しており、食べ進めてさらに下部で切り取ると、よりコンパクトに安定した形状にできる。易カット性のあるフィルムを使用しており、少ない力でも簡単にきれいに開封できる。食事の準備や後片付けが手早くでき、楽しいデザインにより、保護者と乳幼児の食事を楽しむ時間や食後のふれあいの時間の創出につながる。

『「オロナミンCドリンク」易開封陳列ケース』

『「オロナミンCドリンク」易開封陳列ケース』

  • 大塚製薬(株)

オロナミンCの外装の開封作業では、陳列販売・品出し時のライナカットによる開封作業時間や、引裂帯の屑処分などの廃棄作業が最大の課題であり、これを解決し、同時に省資源化による環境対応も視野に入れた改善を行った。特徴として、破断しやすい長い距離の開封を実現する、長側面の特殊ジッパー形状と軌道、短側面のショートフラップ化による省資源化、荷扱い耐性と開封性を両立させた短側面フラップ、ジッパー加工による胴膨れを抑制する罫線の付与があり、この結果開封作業時間を70%、省資源化によるCO2排出量を32t/年、それぞれ削減した。

ロジスティクス賞

『蒸気タービンブレードの輸送箱変更』

『蒸気タービンブレードの輸送箱変更』

  • (株)日立物流

蒸気タービンブレードの輸送箱は、従来は木箱を用い、仕切り板には合板を用いていた。しかし顧客の環境負荷低減のニーズに加え、木箱は包装質量が大きく、輸送費も高額となる、包装・開梱作業に多くの時間と人数が必要、といった課題もあることから、木材の使用を減らし、段ボールを主材とする包装材の開発を行った。この結果、包装材のほとんどを段ボール化し、廃棄時のCO2排出量は88%、製品を含む包装質量は370kgから150kgへ、軽量化により航空輸送費は60%、木箱から段ボールスリーブ・キャップ仕様により包装・開梱時間は20%、それぞれ削減した。

『プチパッカー及びプチプチピロー包装体』

『プチパッカー及びプチプチピロー包装体』

  • 川上産業(株)

プチプチを利用した梱包の自動化により生産性の向上を目指し、自動機でも安定したシール強度でピロー包装ができる「プチパッカー」と命名した機械を開発し、プチプチのピロー包装体を実現した。従来はシール強度を向上させるためのフィルムを別途ラミネートする必要があったが、本機ではその必要が無く、通常のプチプチだけでシール加工することが可能になった。機械の特性とプチプチの特性を合わせて、技術面での問題をクリアし、20~30パック/分の能力を搭載した。

『フロントガラスの新包装形態』

『フロントガラスの新包装形態』

  • 三菱自動車工業(株)
  • 浅野段ボール(株)

自動車用フロントガラスの補用部品の海外出荷では、湾曲したガラスにより1枚入りでは輸送効率が悪く、2枚入り専用カートンで出荷していた。しかし、昨今のコンテナ不足と海上輸送費高騰、海外出荷先で1枚に再包装している、と言った課題を受け、新包装形態の開発に取り組んだ。特徴として、ガラス1枚ずつの包装とし、アジャスト機能により様々なガラスの高さに対応した。この結果、段ボール使用面積を46%、輸送効率を38%、コストを31%、それぞれ改善し、現地での再包装も不要となり、従来二人作業だった荷役が、新仕様では一人で作業が可能となった。